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LinkedInで海外に挑む。海外展示会には頼らない。── 半年間でつながり800人、Web商談12件を達成したプロセスとは
コスパ・テクノロジーズでは、BtoB企業向けに海外向けLinkedin運用支援「COSPA Links(コスパリンクス)」を提供しており、「LinkedInを活用した海外営業」を実践し、成果を上げている方々へのインタビューを行っています。今回は、和歌山を拠点に家庭用品や雑貨を中心に製品を展開し、アジア、ヨーロッパ、アメリカへの輸出を行っているアイセン・インダストリアル株式会社の海外営業担当、前地 康平さんにお話を伺いました。
前地さんは、2025年4月に同社へ転職後、LinkedInを活用した海外新規開拓の取り組みを開始し、わずか半年でつながりが800人を超え、海外企業とのWeb商談12件、成約1件という成果を上げています。海外展示会や出張にかかるコストを抑え、日本にいながら質の高いリードを獲得することができるLinkedIn営業の魅力とは。
本記事では、前地さんがどのような背景でLinkedIn営業に取り組み、どのような判断プロセスや試行錯誤を経て成果を得たのかについて、コスパ・テクノロジーズ代表の中島嘉一がインタビューを行いました。
目次
1. 海外新規開拓を求められる中で直面した課題
前地さんが入社した当時、同社の海外営業は展示会を中心とした手法が主流でした。既存代理店との取引は安定していた一方で、新規開拓については明確なやり方が定まっていない状況だったといいます。
前地
基本的には、既存の代理店とのやり取りが主でした。新規開拓に関しては、これまでほとんど手を付けていなかったと思います。新規開拓にも取り組んでほしいという期待はあったものの、社内には前例がなく、何から始めればよいのかが正直わからない状態でした。海外展示会や出張に関しては、そもそも予算が取りづらく、展示会にはほとんど出展できていませんでした。日本にいる時間の使い方が大きな課題となっていました。
中島
新規開拓を求められてはいるものの、展示会以外の選択肢や具体的な方法論が共有されていない状態だったということですね。
前地
会社としてこれまで展示会を中心に海外営業をしてきたので、展示会がない期間は、新しい動きがほとんど止まってしまうような状況でした。出張は頻繁ではないので、「日本にいる時間、何をやればいいんだろう」と。展示会自体が悪いとは全く思っていませんし、展示会での出会いが重要なのも分かっています。ただ、展示会がない=営業が止まる、という状態は避けたいな、という気持ちがありました。
「新規開拓を任されている以上、日本にいながらでも海外と何かしら接点を持てる方法があるはずだ!」と思うようになって、そこからできることを考え始めました。正直、その時点では明確な答えがあったわけではなくて、とにかくこの日本にいる時間を何もしないまま過ごすのはもったいない、という感覚が一番強かったです。
2. 情報を探す中で、LinkedInを活用した海外営業を知る
展示会以外の方法を考える中で、前地さんは海外営業について情報収集を始めました。
中島
具体的に、どんなやり方で情報を集めていたのでしょうか。
前地
「最初からLinkedInを使おうと思っていたわけではありません。そもそも、海外営業をどう進めたらいいのかが全然分からなかったので、まずはChatGPTに聞いてみたり、Googleで検索したりしていました。『海外営業』『SNS営業』といったキーワードで調べることが多かったと思います。
調べていくと、中島さんの記事が検索結果の上のほうに出てくることがあって、その中でLinkedInという言葉を何度も目にするようになりました。ChatGPTでも、『日本ではあまり浸透していないけれど、LinkedInを使って営業している人は増えている』『効果があると思う』というような回答が返ってきたのを覚えています。
3. 無料プランでLinkedInを使い始めた
LinkedInに興味を持った前地さんは、まず無料プランでアカウントを作成しました。
前地
いきなり有料で始めるというよりは、まず無料で触ってみようと思いました。最初はプロフィールを書いたり、投稿を少ししてみたりするくらいでしたが、どんな雰囲気のSNSなのかは徐々に分かってきました。
その後、中島さんのセミナーを受けて、LinkedInで何ができるのか、どんな使い方をしている人がいるのかを知りました。無料プランの範囲ではありますが、『営業に使うとしたら、こういう形なのかな』というイメージが、少しずつできてきたと思います。」
中島
無料の状態で、まず感触をつかんでいった感じだったんですね。
無料プランでの利用を経て、前地さんは有料プランであるLinkedIn Sales Navigatorの導入について上司に掛け合い、承認を得たうえで、より本格的にLinkedInを活用するようになりました。
前地
セミナーを受けたことで、LinkedInを営業に使うイメージがだいぶ具体的になってきました。コストが月額1万円台というのもあって、上司に対して、「今こういう状況で、こういうことをやってみたい」という説明をしました。
もちろん、「すぐに成果が出るかは分からない」という前提で、「まずは試させてほしい」という形で相談しました。新しい取り組みなので不安はありましたが、現状のまま何もしないよりは、一度やってみる価値はあると思っていました。
中島
LinkedIn Sales Navigatorを使い始めていかがでしたか?戸惑うことはありましたか?
前地
どのような人にアプローチするかという条件の絞り込みには最初かなり悩みました。最初は本当に全く分からず、条件が多すぎて「どれをどう組み合わせればいいんだろう」という状態でした。
そこで、自社の製品情報や、狙っている国、探しているディストリビューター像などを、全部AIに入力して、「この条件ならどう絞るか」を聞くところから始めました。出てきた条件を一つずつ試していく中で、検索結果がゼロになることもありましたし、全然違う業種の人が出てくることもありました。
そのたびに条件を変えて、またAIに貼って確認して、というのを何回も繰り返していました。正直、かなり地道な作業でしたが、少しずつ「この条件だと反応がいいかもしれない」という感覚が出てきたと思います。
5. つながり申請とメッセージを送り続けた
リストができてからは、前地さんはつながり申請を送り、やり取りを進めていきました。
中島
積極的にアプローチをしていく中で、どんな点を意識していましたか。
前地
つながり申請を送るときのメッセージは、できるだけ一人ひとりに合わせて作るようにしていました。LinkedIn Sales Navigatorで抽出したリストをAIに読み込ませて、誰に送るかの判断と、メッセージ文の作成を同時にやってもらっていました。
つながり申請の際には、300文字のメッセージを必ず入れていて、いわゆる最初のあいさつはそこで完結させるようにしていました。そのメッセージに対して返信が返ってきた場合は、その流れでやり取りを続けることが多かったです。
その結果、承認される割合は、データ上では5〜6割くらいになっています。数としては、1週間でかなりの件数を送っていたと思いますが、闇雲に送るというよりは、「この人には送らない」という判断も含めて進めていました。
返信が来なかった方に対して、こちらから何度も機械的にプッシュするようなことはあまりしていませんでしたが、「ここはもう一段アプローチしたほうがいいのか」「このまま様子を見るべきか」といった判断については、AIに相談することはありました。そのうえで、送る場合もあれば、無理に追わずに次に進むこともありました。
中島
承認率が5〜6割というのは、かなり高い数字ですね。inMailについてはどのように活用していますか?
inMailについては、「どうしてもここはアプローチしたい」という企業や担当者に限って使っていて、その場合は資料を添付して送ることもありました。全体としては、最初のつながり時のメッセージと、反応があった方とのやり取りを中心に進めていた、という感じです。
6. 投稿を続けながら、アウトバウンドのやり方を調整
アウトバウンドでのアプローチと並行して、前地さんは投稿も続けていました。
前地
投稿は、週1回くらいを目安に続けていました。文字だけの場合は、記事形式の投稿の方がインプレッションが出やすい印象があります。動画では顔出しのほうが見てもらえることが多いように感じました。
投稿をきっかけに、「この商品について詳しく教えてほしい」と質問されることもありました。すぐに商談につながるわけではありませんが、記事投稿や動画は、テキスト中心の通常投稿に比べて、リアクションやコメントが付きやすく、エンゲージメントが高い傾向にあります。
中島
どんな投稿が反応が出やすいかなど、実際にいろいろ試される中で、やり方を見つけていかれたのですね。
7. Linkedinだけで12件のWeb商談、1件の成約が成立
こうした取り組みを続ける中で、前地さんのもとには海外からの反応が届くようになります。
前地
半年間で12件の海外企業とのWeb商談につながり、そのうち1件は成約にもなっています。この期間、海外展示会には一切参加していません。LinkedIn Sales Navigatorの費用と、自分の稼働だけでここまで進んだので、社内全体としては「本当にそれだけで商談が出るんだ」と、かなり驚かれたと思います。
また、フォロワーも800人ほど増えて、今後発信を続けていくための土台ができた点についても、社内では話題になっています。
中島
社内全体としてもインパクトは大きかったのですね。展示会に行かず、国内にいながらそれだけの成果を出されて、LinkedIn Sales Navigatorを承認された上司の方はどのような反応でしたか?
前地
会社として試したことが無い方法で、期待もされていなかったので、正直とても驚いて喜んでくれています。今後も、改善を続けながら、より多くのつながりやリードに繋げていきたいと考えています。
8. 海外営業でLinkedInを使ってみて感じていること
最後に、前地さんに、LinkedInを使った海外営業について感じていることを伺いました。
前地
海外では、決裁者の方が実名で経歴や仕事内容を公開していることが多く、商談前に相手の情報を把握できる点は、海外営業を進めるうえで助けになっています。
また、日本企業の中で、LinkedInを海外営業の主要チャネルとして本格的に活用している企業は、まだ決して多くないと考えています。
そのため、「日本企業」というだけでも海外企業から珍しがられ、ポジティブな関心を持ってもらえる場面が多くあります。実際に運用してみて、他社より一歩先に動けている感覚を強く持っていますし、これは今後の海外展開において大きなアドバンテージになると感じています。そういった意味でも、LinkedInは単なるツールではなく、今のタイミングで取り組む価値が非常に大きい営業チャネルだと考えています。私自身、会社ページについてはまだあまり手を付けられていないので、今後はブラッシュアップしていきたいと考えています。
中島
決裁者や責任者クラスの人に直接アプローチできて、事前に相手の会社や役職、経歴といった情報が見える状態でやり取りができる、というのは、実際に動いている立場からすると、LinkedInの大きな利点ですよね。
実際に、検索条件を変えたり、リストを作り直したり、メッセージの送り方を見直したりしながら試行錯誤されてきた結果として、半年間で海外12件のWeb商談、成約1件という大きな成果につながったのだと感じます。
今後は、LinkedInを活用した海外営業が、前地さん個人アカウントでの活動にとどまらず、会社ページも活用へと広がることで、より良いサイクルが生まれていきそうですね。前地さんのさらなるご活躍に期待しています。
この記事の監修者
株式会社コスパ・テクノロジ-ズ 代表取締役
中島嘉一
SNSリンク:https://linktr.ee/nakajima
株式会社コスパ・テクノロジーズ 代表取締役。
愛媛大学情報工学部卒業後、船井電機にて中国駐在し5,000人規模の組織管理とウォルマート向け海外営業を担当。
上海で起業し通算10年の中国ビジネス経験を持つ。Web制作・デジタルマーケティング歴13年以上で現在は英語圏・中華圏を中心とした海外展開支援のスペシャリストとして活動。
多言語Webサイト構築、越境EC、SNS・広告運用を駆使して企業の海外顧客開拓から、国内向けWebサイト制作・ブランディングまで、戦略立案から実行まで一貫サポート。
海外ビジネスに関するセミナーやイベントに登壇するほか、SNS総フォロワー5万人以上、中小機構海外販路開拓アドバイザーとして中小企業から上場企業まで幅広く支援実績を持つ。
株式会社コスパ・テクノロジ-ズ 代表取締役
中島嘉一
SNSリンク:https://linktr.ee/nakajima
株式会社コスパ・テクノロジーズ 代表取締役。
愛媛大学情報工学部卒業後、船井電機にて中国駐在し5,000人規模の組織管理とウォルマート向け海外営業を担当。
上海で起業し通算10年の中国ビジネス経験を持つ。Web制作・デジタルマーケティング歴13年以上で現在は英語圏・中華圏を中心とした海外展開支援のスペシャリストとして活動。
多言語Webサイト構築、越境EC、SNS・広告運用を駆使して企業の海外顧客開拓から、国内向けWebサイト制作・ブランディングまで、戦略立案から実行まで一貫サポート。
海外ビジネスに関するセミナーやイベントに登壇するほか、SNS総フォロワー5万人以上、中小機構海外販路開拓アドバイザーとして中小企業から上場企業まで幅広く支援実績を持つ。