- ホーム
- コラム
- Linkedin活用
- 製造業の海外進出をLinkedInで始める90日計画|海外営業・新規開拓の進め方
製造業の海外進出をLinkedInで始める90日計画|海外営業・新規開拓の進め方
この記事でわかること
- 製造業の海外進出でLinkedInを活用する方法
- 海外進出に向けた海外営業・新規開拓を90日で進める方法
- LinkedIn営業のKPIと改善ポイント
製造業が海外進出を進める際、現地法人や海外拠点の設立だけでなく、まず海外市場で販路開拓や新規顧客開拓を行い、自社製品のニーズを確認する方法があります。
LinkedInを使えば、国・業界・企業・役職などの条件からターゲットを整理し、海外企業の担当者と直接接点をつくることができます。
本記事では、海外進出の第一歩として、LinkedInを使い「最初の90日で何を準備し、誰にアプローチし、どの数字を確認すべきか」を具体的に解説します。
製造業の海外営業でLinkedInを使う前に決めること

LinkedInを使った海外営業は、いきなり海外企業へメッセージを送るところから始めるものではありません。最初に「どの国の、どのような企業の、誰に販売するのか」を明確にする必要があります。
特に製造業では、購買担当者だけでなく、技術、製造、設備、R&D、事業開発など複数の部署が選定に関わる場合があります。Sales Navigatorでも企業規模、業種、地域、役職などを組み合わせてターゲットを絞り込めるため、検索前に自社のターゲット条件を定義しておくことが重要です。
90日間の活動を成果につなげるには、「売りたい国」だけではなく、「自社製品を必要とする企業像」と「その企業で接点を持つべき担当者」を決めておく必要があります。
「売りたい国」ではなく「売れる市場」を仮説化する
海外進出や新規開拓では、「アメリカに売りたい」「東南アジアに進出したい」という国起点だけでターゲットを決めないことが重要です。
自社製品を必要とする産業、設備、工程、顧客企業の規模などから、まず「どのような企業なら購入可能性があるか」を考えます。
例えば工作機械なら「製造業」だけでは広すぎるため、「自動車部品メーカー」「金属加工メーカー」「Tier 1」など、製品の導入場面まで具体化します。
ターゲット企業とターゲット担当者を分けて考える
海外営業では「企業を探すこと」と「営業する人物を探すこと」は別の作業です。
候補企業を決めた後、その企業の購買、技術、製造、設備、R&D、事業開発など、製品導入に関係する担当者を整理します。
Sales Navigatorでは、企業と人物をそれぞれ条件設定して検索できるため、「企業を決める→担当者を探す」という順番で設計すると営業リストを作りやすくなります。
1〜30日目|海外営業のターゲットと営業基盤をつくる

最初の30日間は、商談数を追うよりも、海外進出に向けて海外営業を継続できる土台をつくる期間です。
この段階では、対象国、対象業界、企業規模、ターゲット企業、担当者の役職を整理します。
同時に、自社のLinkedInプロフィールや企業情報、製品ページなどを海外の担当者から見ても理解できる状態に整えます。
1〜10日目:海外営業のターゲット条件を決める
まず「国」「業界」「企業規模」「部署」「役職」の5つを決めます。
例えば「ドイツの自動車部品メーカー、従業員500〜5,000名、Production ManagerまたはEngineering Manager」のように、検索できるレベルまで具体化します。
この条件を作っておくと、Sales Navigatorで候補を探す際にも検索条件がぶれにくくなります。
11〜20日目:営業対象企業をリスト化する
次に、条件に合う企業を抽出し、企業名、国、Webサイト、事業内容、ターゲット部署、担当者、役職などを整理します。
この時点では「LinkedInにいる人を大量に集める」のではなく、自社製品を販売できる可能性がある企業を優先することが重要です。
Sales Navigatorでは、企業の業種、所在地、従業員規模などの条件に加えて、人物の職種や役職などを組み合わせて検索できます。
21〜30日目:営業メッセージと資料を準備する
候補企業が決まったら、初回接点で何を伝えるかを準備します。
「日本の○○メーカーです」という会社紹介だけではなく、「○○業界の企業向けに、△△という課題を解決しています」のように、相手側の視点から説明できる状態にします。
また、製品資料、導入事例、Webページなど、相手が返信後に確認できる情報も整理しておきます。
31〜60日目|海外企業への新規開拓を始める

31〜60日目は、実際に海外企業へのアプローチを始める期間です。
ここでは「何件送ったか」だけでなく、「どの企業・役職から反応があったか」を確認します。
製造業の海外営業では、製品によって複数の部署が購買判断に関わるため、最初から一人の担当者だけに依存しないことも重要です。
31〜40日目:最初のアプローチを開始する
最初から大量送信を目指すのではなく、設定したターゲット条件が適切かを確認しながら少量で開始します。
特に製造業では、同じ「Sales Director」という役職でも、販売会社なのかメーカーなのか、対象製品を扱う部署なのかによって商談可能性が大きく変わります。
そのため、最初の期間は「送信数」だけでなく、対象企業の適合率も確認します。
41〜50日目:返信内容からターゲットを修正する
返信があった企業について、「なぜ反応したのか」を確認します。
例えば、特定の国の企業から返信が多い、特定の役職から反応がある、特定の製品用途に関心が集まる、といった傾向が見えてくることがあります。
こうした情報を次の検索条件に反映すると、海外進出に向けた海外営業の新規開拓を経験や勘だけに頼らず改善できます。
51〜60日目:商談候補を分類する
返信があった相手を、すべて同じ「リード」として扱わないことも重要です。
「情報交換のみ」「製品に興味あり」「具体的な課題あり」「導入時期が近い」など、温度感を分けて管理します。
営業チームへ引き継ぐ場合も、相手の会社情報、役職、会話内容、関心製品、次のアクションを記録しておくと、商談への移行がスムーズになります。
61〜90日目|商談化と海外営業の仕組みを改善する

61〜90日目は、単にLinkedInでつながることから、実際の商談や案件につなげる段階です。
ここでは「つながり数」や「返信数」だけでなく、有望リード、商談、案件化まで確認します。
また、反応の良かった国・業界・企業規模・役職・訴求内容を分析し、今後の海外進出・海外営業活動に反映します。
61〜70日目:商談につながる条件を整理する
まず、返信した企業の中から、どのような条件の企業が商談につながったのかを確認します。
例えば「従業員1,000名以上」「Engineering Manager以上」「自社製品と関連する設備を保有」といった共通点が見つかる可能性があります。
この条件を次のターゲット設定に戻すことで、海外営業の精度を高められます。
71〜80日目:営業プロセスを標準化する
次に、うまくいった営業活動を個人の経験だけで終わらせないようにします。
ターゲット条件、検索方法、初回アプローチ、返信後の対応、商談化の条件などを記録し、営業チームで共有できる状態にします。
海外営業担当者が変わっても同じ手順で活動できるようにすることで、LinkedInを一時的な施策ではなく営業チャネルとして運用しやすくなります。
81〜90日目:次の90日間の営業計画をつくる
最後に、90日間の結果をもとに次のターゲット市場と営業活動を決めます。
反応が良かった国を深掘りするのか、新しい国へ広げるのか、特定業界に集中するのかを判断します。
重要なのは、90日で終わらせることではなく、1回目の90日で得たデータを2回目の90日計画へ反映することです。
製造業の海外営業で確認したいKPI

LinkedInを使った海外営業では、つながり数だけをKPIにすると、営業成果との関係が見えにくくなります。
「活動量」「反応」「商談」「案件」の4段階に分けて数字を見ると、どこで改善すべきか判断しやすくなります。
特に新規開拓では、最終的な受注までに時間がかかる場合があるため、途中の指標も記録しておくことが重要です。
一方で、数字を増やすこと自体を目的にすると、ターゲット外の企業を大量に追加するなど、営業の質が下がる可能性があります。
そのため、量と質の両方を確認できるKPI設計が必要です。
90日間では、次のような指標を追跡すると営業活動を改善しやすくなります。
| 段階 | 主なKPI | 確認すること |
|---|---|---|
| ターゲット | 対象企業数・対象担当者数 | 条件に合う企業を十分に集められているか |
| アプローチ | 申請・メッセージ数 | 計画どおり活動できているか |
| 反応 | 承認率・返信率 | ターゲットと訴求内容が合っているか |
| 有望リード | 有望リード数 | 商談につながる可能性があるか |
| 商談 | 商談数・商談化率 | 営業活動が会話から商談につながっているか |
| 案件 | 案件数・案件金額 | 売上につながるパイプラインになっているか |
LinkedInだけで海外営業を完結させない

LinkedInは海外顧客との接点をつくる手段であり、海外営業全体を置き換えるものではありません。
製造業では、展示会、Webサイト、代理店、既存顧客からの紹介、メール、オンライン商談など、複数の接点を組み合わせることが重要です。
LinkedInで接点をつくった後に製品資料へ誘導したり、展示会で会う予定の企業と事前につながったりするなど、他の営業活動と組み合わせることで活用範囲が広がります。
また、相手企業の情報を調べることで、メールや商談前の準備にも活用できます。
Sales Navigatorは、ターゲットを探すだけでなく、見込み客を保存し、更新情報やシグナルを確認しながら営業活動を進めるためのBtoB営業ツールとして提供されています。
したがって、LinkedInを「SNS運用」と捉えるより、海外進出における海外営業の新規開拓プロセスの一部として設計することが重要です。
製造業の海外営業を90日で始めるチェックリスト

最初の30日間では市場とターゲットを決め、次の30日間で海外企業へのアプローチを開始します。
最後の30日間では、商談化した企業を分析し、次の営業活動へつなげます。
重要なのは、LinkedInの操作を覚えることではなく、90日間を一つの営業プロセスとして管理することです。
以下のチェックリストを使えば、準備・新規開拓・改善の抜け漏れを確認できます。
自社の営業体制に合わせて項目を追加しながら運用すると、次の90日計画にもつなげやすくなります。
特に最初は、受注だけでなく「どの市場・企業・役職に反応があったか」をデータとして残しておくことが重要です。
1〜30日目
- 対象国を決める
- 対象業界を決める
- ターゲット企業の条件を決める
- ターゲット役職を決める
- 営業リストを作る
- LinkedInプロフィールを整える
- 海外向け営業資料を準備する
31〜60日目
- LinkedInで対象企業・担当者を検索する
- アプローチを開始する
- 返信内容を記録する
- 反応の良い企業・役職を確認する
- ターゲット条件を修正する
- 有望リードを分類する
61〜90日目
- 商談候補を整理する
- 商談化率を確認する
- 反応の良かった市場を分析する
- 営業プロセスを標準化する
- 次の90日間のターゲットを決める
- KPIと営業活動を見直す
まとめ|LinkedInを製造業の海外営業チャネルにする

製造業の海外営業でLinkedInを活用する場合、重要なのはアカウントを作ることでも、投稿を増やすことでもありません。
どの国の、どの企業の、どの担当者に営業するのかを決め、90日間かけてターゲットと営業方法を改善していくことが重要です。
最初の30日で準備、31〜60日で新規開拓、61〜90日で商談化と改善という流れを作れば、海外進出に向けた海外営業を継続的に行うための基盤を構築できます。
Sales Navigatorには、企業規模、業種、地域、役職、職種などを含む50以上の検索フィルターがあり、ターゲット企業・担当者を絞り込むために利用できます。
LinkedIn自身も製造業向けのSales Navigator活用事例を公開しており、製造業の営業担当者が購買部門だけでなく、エンジニアやMRO担当者などへ早い段階から接点をつくる活用方法を紹介しています。
海外営業をこれから始める製造業にとって、LinkedInは「SNSへの投稿場所」ではなく、海外顧客を新規開拓するための営業チャネルの一つとして活用できます。
よくある質問

製造業の海外営業にLinkedInは向いていますか?
製造業でもLinkedInを営業チャネルとして活用できます。LinkedIn公式では、製造業の営業事例として、Sales Navigatorを使って製造業の買い手を見つけ、営業活動に活用した事例を紹介しています。
海外営業を始めるなら最初に何をすればよいですか?
最初に対象国・業界・企業規模・ターゲット部署・役職を決めます。その後、ターゲット企業と担当者を整理し、営業対象を明確にしてからアプローチを開始します。
Sales Navigatorは海外営業に必要ですか?
必須ではありませんが、海外企業や担当者を条件に沿って検索したい場合には有力な選択肢です。Sales Navigatorでは企業・人物を対象に、業種、地域、企業規模、役職など50以上の検索フィルターを利用できます。
90日で海外営業の成果は出ますか?
90日で必ず受注できるとは限りません。製造業では製品評価、仕様確認、社内稟議などに時間がかかる場合があるため、最初の90日では受注だけでなく、有望リードや商談、海外進出の可能性があるターゲット市場について得られた情報も成果として評価することが重要です。
この記事の監修者
株式会社コスパ・テクノロジ-ズ 代表取締役
中島 嘉一
SNSリンク:https://linktr.ee/nakajima
株式会社コスパ・テクノロジーズ 代表取締役。
愛媛大学情報工学部卒業後、船井電機にて中国駐在し5,000人規模の組織管理とウォルマート向け海外営業を担当。
上海で起業し通算10年の中国ビジネス経験を持つ。Web制作・デジタルマーケティング歴13年以上で現在は英語圏・中華圏を中心とした海外展開支援のスペシャリストとして活動。
多言語Webサイト構築、越境EC、SNS・広告運用を駆使して企業の海外顧客開拓から、国内向けWebサイト制作・ブランディングまで、戦略立案から実行まで一貫サポート。
海外ビジネスに関するセミナーやイベントに登壇するほか、SNS総フォロワー5万人以上、中小機構海外販路開拓アドバイザーとして中小企業から上場企業まで幅広く支援実績を持つ。
株式会社コスパ・テクノロジ-ズ 代表取締役
中島 嘉一
SNSリンク:https://linktr.ee/nakajima
株式会社コスパ・テクノロジーズ 代表取締役。
愛媛大学情報工学部卒業後、船井電機にて中国駐在し5,000人規模の組織管理とウォルマート向け海外営業を担当。
上海で起業し通算10年の中国ビジネス経験を持つ。Web制作・デジタルマーケティング歴13年以上で現在は英語圏・中華圏を中心とした海外展開支援のスペシャリストとして活動。
多言語Webサイト構築、越境EC、SNS・広告運用を駆使して企業の海外顧客開拓から、国内向けWebサイト制作・ブランディングまで、戦略立案から実行まで一貫サポート。
海外ビジネスに関するセミナーやイベントに登壇するほか、SNS総フォロワー5万人以上、中小機構海外販路開拓アドバイザーとして中小企業から上場企業まで幅広く支援実績を持つ。