LinkedIn営業を
この記事でわかること
- 申請・承認・返信の数から、止まっている段階を見つける方法
- 6つの段階ごとの、よくある原因と直し方
- 承認直後の売り込みをやめ、返信を最初の目標にする理由
結論:つながった直後の売り込みをやめ、止まっている段階から直す
自社でLinkedIn営業を始めたのに商談にならない場合、多くは次のどれかに当てはまります。
- 申請や承認の直後に売り込んでいる。つながった相手に、すぐ会社紹介や面談のお願いを送っています。
- 狙う相手がずれている。申請を送る相手が、自社の製品を使う人や選ぶ人になっていません。
- 途中で止まっている。忙しい時期に申請や返信が止まり、そのままになっています。
LinkedIn営業は、相手選び→つながり申請(相手に「つながりたい」と申し込むこと)→承認後の最初の1通→返信後の会話→商談の提案→続け方、の順に進みます。前の段階で止まっていると、後の段階をいくら工夫しても結果は変わりません。まず止まっている段階を見つけ、そこから直します。
最初に追う数字は、商談の数ではなく「返信」です。返信が出ていれば、商談の入口までは来ています。
まず、どの段階で止まっているかを見つける
見直しの前に、申請した数・承認された数(相手が申請を受け入れた数)・返信の数を数えます。記録がなければ、つながりの一覧とメッセージの画面から、1か月分を数えるだけでも構いません。
承認された割合は、LinkedInの画面には出ません。支援の現場では、週ごとに、送った申請の数と、その週に増えたつながりの数を比べて、おおよその割合をつかんでいます。貴社でも、承認された数は、この2つを並べて数えれば足ります。
- 申請しても承認が
ほとんどない 相手選び・申請狙う相手の条件プロフィール - 承認は
されるが 返信が来ない 承認後の最初の1通いちばん多い 売り込みの言葉を外す質問1つで終える - 返信は
来るが すぐにやり取りが 終わる 返信後の会話返す速さ相手の答えへの触れ方 - やり取りは
続くが 資料送付や面談に 進まない 商談の提案関心の確かめ方提案の出し方 - 最初は
動いたが 申請や返信が 止まった 続け方毎日の時間の取り方記録の仕方
| 今の状態 | 止まっている段階 | 先に見直すこと |
|---|---|---|
| 申請しても、承認がほとんどない | 相手選び・申請 | 狙う相手の条件と、プロフィール |
| 承認はされるが、返信が来ない | 承認後の最初の1通 | 売り込みの言葉を外し、質問1つで終える |
| 返信は来るが、すぐにやり取りが終わる | 返信後の会話 | 返す速さと、相手の答えへの触れ方 |
| やり取りは続くが、資料送付や面談に進まない | 商談の提案 | 関心の確かめ方と、提案の出し方 |
| 最初は動いたが、申請や返信が止まった | 続け方 | 毎日の時間の取り方と、記録の仕方 |
数字を見るときの目安もあります。COSPALinksが支援の中で見てきた承認の目安は、「ざっくり2〜6割、国や相手でかなり変わる。アジアは3〜6割狙える、アメリカ・ヨーロッパは渋めで2〜4割」です。返信は、COSPALinksの公開済みの支援事例では、つながった人の約2〜4割から返信がありました。複数の国をまとめて数えると判断を誤りやすいので、国ごとに分けて見ます。
相手選び:狙う相手がずれていると、どの段階も伸びない
よくある原因
- 国や業界を広く取りすぎて、自社の製品と関係のない人にも申請している
- 決裁者や経営者だけに絞り、もともと承認されにくい相手ばかりになっている
- 複数の国をまとめて見ていて、どの国が合っていないのか分からない
見直すこと
- 今の取引先で、最初に話を聞いてくれたのは誰だったかを書き出し、狙う職種を決め直します。設計や現場の担当者、管理職など、決裁者の周りの人から入るほうが、つながりも会話も始まりやすくなります。
- 結果は国ごとに分けて見ます。反応のよい国に時間を寄せ、反応の悪い国は条件を変えます。
承認が少ないときに文面ばかり直しても、相手が合っていなければ結果は変わりません。国・業界・役職の決め方は「LinkedIn海外営業のターゲット設定|国・業界・役職の決め方と、相手の人数の確かめ方」で詳しく解説しています。
申請:承認されないときは、メッセージよりプロフィールを見直す
申請を受け取った相手が最初に見るのは、写真・名前・見出し(ヘッドライン。名前の下に出る一行の紹介)です。ここで何をしている人か伝わらないと、承認は増えません。
よくある原因
- 顔写真がない。見出しが日本語のままか、肩書きだけになっている
- 申請に長い会社紹介や資料のリンクを付け、申請の時点で売り込みに見えている
- 一人ひとりに文を書こうとして手が止まり、申請の数そのものが少ない
- つながりがほとんどないまま、いきなり海外の知らない相手に申請している
見直すこと
- 顔写真を入れます。見出しは英語にし、肩書きに「どんな課題を解決できるか」を一言添えます。
- 申請のメッセージは、理想は相手に合わせた短い一言です。ただ、書けずに申請が止まるくらいなら、メッセージなしで送るほうを選びます。COSPALinksが試した範囲では、メッセージの有無で承認はあまり変わりませんでした。
- 先に社内の人や取引先など、知っている人とつながっておきます。
申請の送り方とマナーは「LinkedInのつながり申請マナー|好印象を与えるメッセージ例・NG例を解説」でまとめています。
承認後の最初の1通:つながった直後の売り込みをやめる
商談にならない原因でいちばん多いのが、この段階です。承認されたとたんに、会社紹介や製品の説明、面談の日程の打診を送ってしまいます。相手から見ると、つながった直後に知らない会社の宣伝が届いたのと同じで、返信はほとんど来ません。
よくある原因
- 承認された直後に、会社紹介や製品の資料、面談のお願いを送っている
- 同じ英文を全員に貼り付けて送っている
- InMail(つながっていない相手にも送れる有料のメッセージ)で、知らない相手に一斉に売り込んでいる
- 承認されたのに、何も送らずにそのままにしている
見直すこと
- 最初の1通の目的を「返信をもらうこと」に切り替えます。中身は、つながったお礼、相手への関心を1つ、短く答えられる質問を1つです。
- 相手の見出しや投稿から1つだけ拾い、その人に合わせた質問にします。型を使っても構いませんが、この部分だけは毎回書き換えます。
- InMailは、申請を承認してくれない相手に気づいてもらうためにとっておき、売り込みの一斉送信には使いません。
承認は出ているのに返信がほとんどないなら、プロフィールより先に、この最初の1通を見直します。3つの部品の考え方と送る前の点検は「つながり申請の後の『最初の1通』|返信が来るあいさつの型と考え方【LinkedIn営業】」で解説しています。
最初の1通に返信がなかった相手とは、投稿で接点を保ち、相手の反応を合図に2通目を送ります。進め方は「LinkedInの投稿で見込み客を育てる方法」にまとめています。
返信後の会話:返信が来ても、すぐに製品の話に切り替えない
返信が来たのに、やり取りがすぐ終わってしまう場合は、返し方を見直します。
- 12〜
3 日のうちに 間が返す 空く ほど、 会話の 勢いは 落ちる - 2相手の
答えに こちらが一言 触れる 聞きたい ことだけを、 続けて 聞かない - 3一歩だけ
深く 地域や聞く 分野の 話から、 困っている ことへ 進める - 43〜4往復で
関心を 相手の確かめる 課題や 関心が 見えてから、 提案する - 5相手が
選べる 資料の形で 提案する 送付か、 オンラインでの 短い 面談か - 6今は
必要ない 投稿で相手とも 続ける 接点を 保ち、 時間を 置いて もう 一度 声を かける
よくある原因
- 返信が来たとたんに、製品の説明や価格表を送っている
- 返事を何日も空けている
- 相手の答えに触れず、こちらが聞きたいことだけを続けて聞いている
- 技術的な質問が来たとき、社内で誰が答えるか決まっておらず止まっている
見直すこと
- 返信が届いたら、2〜3日のうちに答えます。間が空くほど、会話の勢いは落ちます。
- 相手の答えに一言触れてから、もう一歩だけ踏み込んだ質問をします。担当している地域や分野の話から、困っていることや探しているものへと、少しずつ進めます。
- 技術や価格の質問に答える人を、社内で先に決めておきます。
商談の提案:関心を確かめてから、受けやすい形で持ちかける
よくある原因
- 相手の関心を確かめないまま、面談の日程を聞いている
- 「一度お話しさせてください」だけで、相手にとって何の話なのかが見えない
- 関心を示した相手に渡す、英語の資料やよくある質問への答えがそろっていない
- 「今は必要ない」と言われたら、そこで連絡を終えている
見直すこと
- 3〜4往復ほどやり取りを重ね、相手の課題や関心が見えてから提案します。
- いきなり面談を求めるより、資料の送付か、オンラインでの短い面談か、相手が選べる形にします。
- 英語の会社紹介・製品資料・よくある質問への答えを、提案の前に用意しておきます。
- 今は必要ない相手とも、つながりは残ります。投稿で接点を保ち、時間を置いてからもう一度声をかけます。
やり取りを重ねても関心を示す相手がほとんどいない場合は、市場の声を聞く場と考えます。返ってきた答えをもとに、狙う国や相手、売り方を見直します。
続け方:止まると、それまでの積み上げが途切れる
よくある原因
- 忙しい週に申請が止まり、そのまま再開していない
- 申請・承認・返信の数を記録していないので、どこが悪いのか分からない
- 商談や受注の数だけを見て、早い段階で「LinkedInは合わない」と決めている
- 申請の数を増やそうとして、自動で送るツールに頼ろうとしている
見直すこと
- 申請は、1日10〜15分ほどで済む日課にして、取り組む時間を決めておきます。
- 最初の目標は返信の数にします。つながりと返信は、始めた最初の月から動きが見えます。
- 週に1回、申請・承認・返信を国や相手ごとに見て、条件を直します。
- 申請やメッセージを自動で送るツールや、パスワードを預けて他人がログインするやり方は、LinkedInの規約に反するおそれがあります。アカウントが制限されると、それまでのつながりも使えなくなるおそれがあります。
何より、申請を送らなければ何も始まりません。毎日の体制と記録の付け方は「LinkedIn営業を社内で回すには|体制・1日の作業・KPIの決め方」で解説しています。
見直しのチェック表
| 段階 | よくある原因 | 見直すこと |
|---|---|---|
| 相手選び | 国や業界が広すぎる。決裁者だけに絞っている | 買う人の職種から決め直す。結果は国ごとに見る |
| 申請 | 写真や英語の見出しがない。申請で売り込んでいる。書けずに止まっている | 写真と見出しを整える。メッセージなしでも送る |
| 承認後の最初の1通 | 承認直後に会社紹介や面談の打診を送る。同じ英文を一斉に送る | お礼・相手への関心・質問1つにする。売り込みは外す |
| 返信後の会話 | すぐに製品の話に切り替える。返事が遅い | 間を空けずに返す。相手の答えに触れ、一歩だけ深く聞く |
| 商談の提案 | 関心を確かめずに日程を聞く。渡す資料がない | 関心が見えてから、資料か面談かを選べる形で提案する |
| 続け方 | 忙しいと止まる。記録がない。商談数だけで判断する | 短い日課にする。最初の目標は返信。週1回数字を見る |
よくある質問
Q. どれくらい続けて商談にならなければ、やめたほうがいいですか?
期間で区切るより、段階ごとの数字で判断します。つながりと返信は、始めた最初の月から出てきます。返信が出ているなら、会話と提案の仕方を直して先に進む余地があります。承認も返信もほとんどないなら、まず狙う国と相手を見直しましょう。
Q. InMailを使えば、つながっていない決裁者にも直接売り込めますか?
送ることはできますが、知らない相手からの売り込みには、返信はほとんど来ません。つながってから、あいさつと質問で会話を始めるほうが、遠回りに見えて近道です。InMailは、申請を承認してくれない相手に気づいてもらうために使います。
Q. 英語に自信がなく、同じ定型文を使い回しています。直したほうがいいですか?
型を使うこと自体は問題ありません。ただ、相手への関心を書く一文だけは、毎回その人に合わせて書き換えます。AI翻訳を使えば、短いあいさつや質問は十分に書けます。英語以外の言葉で送るときは、ネイティブに確かめてもらうと安心です。
Q. 自分たちで見直しても、うまくいかないときはどうすればいいですか?
やり方の問題か、市場が合わないのかを、社内だけで切り分けるのは簡単ではありません。外に頼んで始め、成果の出た国や地域から社内に移していく方法もあります。外に頼むときは、代理ログインや自動送信をしない依頼先を選びましょう。
まとめ
- 商談にならないときは、やり方を全部変える前に、止まっている段階を数字で見つける
- いちばん多い原因は、申請や承認の直後の売り込み。最初の1通は、お礼・相手への関心・質問1つにする
- 承認されないなら相手選びとプロフィール、返信が来ないなら最初の1通、会話が続かないなら返し方と提案の仕方を見直す
- 申請はメッセージなしでも送り、1日10〜15分ほどの日課で続ける
- 最初の目標は商談数ではなく返信。数字は国ごとに分けて見る
COSPALinksは、LinkedInを使った海外営業を支援しています。相手選びから最初の1通、商談の入口までの進め方と支援の内容は、資料ライブラリにまとめています。
無料相談(30分・オンライン)
貴社が会える海外の決裁者の数を、その場でお見せします。
狙いたい国・業界・役職を












セミナー10/30(金)11:00〜出版記念セミナー 受付中