Alibabaなどの
この記事でわかること
- Alibaba・BtoBマッチングサイト・越境ECと、LinkedInの仕組みの違い
- 商材や場面ごとの、向いている方法の選び方
- 「待つ集客」と「会いに行く営業」を組み合わせる方法
結論:「待つ集客」と「会いに行く営業」は役割が違う
海外のBtoB(企業どうしの取引)で新しい取引先を探す方法は、大きく2つに分かれます。
- 待つ集客:Alibabaなどのマッチングサイトや越境ECに製品を載せ、探している買い手に見つけてもらう。最初に動くのは買い手です。
- 会いに行く営業:LinkedInで、会いたい会社と役職の人を探し、こちらから声をかける。最初に動くのは貴社です。
待つ集客の強みは、今まさに買いたい人と出会えることです。ただし、どの会社から問い合わせが来るかは選べません。会いに行く営業の強みは、相手を選べることです。ただし、相手はまだ探していないことが多く、会話を重ねる時間がかかります。
どちらか一方に決める必要はありません。載せておく場所を持ちながら、会いたい相手には自分から声をかける。これが、海外の新規開拓で取りこぼしを減らす考え方です。
Alibaba・BtoBマッチングサイト・越境ECはどんな仕組みか
3つとも、買い手が探しに来るのを待つ仕組みです。違うのは、相手と取引の形です。
Alibaba(Alibaba.com)
中国のアリババグループが運営する、企業どうしの取引のためのサイトです。売り手は製品ページを載せ、買い手は製品を検索して比べ、気になった会社に問い合わせや見積もりの依頼を送ります。世界中の売り手が同じ画面に並ぶのが特徴です。
BtoBマッチングサイト
売りたい会社と、仕入れ先や販売の相手を探している会社を引き合わせるサイトです。業界や国ごとにさまざまなサイトがあり、載せ方や費用はサイトごとに違います。
越境EC
国境を越えて、ネット通販で海外の買い手に直接売ることです。海外のECモール(ネット上の商店街)に出店する方法と、自社の通販サイトで売る方法があります。主に消費者向けの商品や、小口(1回の注文が少量)の取引で使われます。
3つに共通するのは、買い手が「探している」ときに見つけてもらえることです。探す人が多い商品なら、載せておくだけで問い合わせや注文が来ます。反対に、買い手が検索しない製品や、検索しても見つけにくい製品は、載せても動きが出にくくなります。
LinkedInは「会いに行く営業」の仕組み
LinkedInは、世界のビジネスパーソンが実名で、会社名や役職を載せているSNSです。海外では、仕事の連絡や情報収集に広く使われています。
LinkedInでの営業は、国・業界・役職・会社の規模などで会いたい相手を探し、つながり申請(オンラインの名刺交換のようなもの)を送るところから始まります。承認されたら、あいさつと短い質問を送ります。返信をくれた人と話を重ね、関心がある人にだけ資料の送付や面談を提案します。
相手を探すには、LinkedInの営業向けの有料ツール「Sales Navigator」を使うのが一般的です。Coreプランなら月10,550円(税込)で、1か月の無料トライアルがあります。作業は、申請なら1日10〜15分ほどです。
待つ集客との一番の違いは、相手がまだ探していない段階で出会えることです。買い手がほかの会社と比べ始める前に、関係をつくれます。進め方は「LinkedInセールス活用の6ステップ」(整える→出会う→つながる→会話する→育てる→商談へ)に分けて考えます。くわしくは「LinkedIn営業とは?始め方を6ステップで解説」、国の選び方や英語の壁など海外ならではの話は「LinkedIn海外営業とは?」で解説しています。
6つの観点で比べる
| 観点 | Alibaba・マッチングサイト・越境EC | |
|---|---|---|
| 最初に動く人 | 買い手。探している人が見つけて連絡してくる | 貴社。会いたい相手を決めて声をかける |
| 相手の選び方 | 選べない。来た問い合わせに対応する | 国・業界・役職・会社の規模で選ぶ |
| 相手の温度 | 今まさに買いたい人が来る。条件の合わない問い合わせも混ざる | まだ探していない人が多い。話を重ねて関心を確かめる |
| 比べられ方 | 同じ画面にほかの売り手が並び、価格や条件で比べられやすい | 1対1のやり取りなので、用途や強みを説明できる |
| 費用の出方 | 掲載や出店の費用、手数料など。サイトや契約で変わる | Sales Navigatorの月額と、社内の作業時間 |
| 関係の残り方 | やり取りはサイトの中が中心。掲載をやめると新しい問い合わせは止まる | つながりとやり取りの記録が残り、続けるほど積み上がる |
問い合わせの質の違い
待つ仕組みでは、問い合わせの数は多くても、取引の見込みが薄いものが混ざりがちです。価格だけを聞く問い合わせや、量・国・用途が合わない問い合わせに返事をしているうちに、時間が過ぎていきます。LinkedInは相手を先に選ぶので、話す相手の業界や役職がずれにくくなります。その代わり、相手は今すぐ買うつもりではないことが多く、商談になるまでに時間がかかります。
COSPALinksの商談でも、Alibabaを使ったことのある商社から、問い合わせや商談はあったものの、量の小さい取引ばかりで続かなかった、という話をうかがいました。自社でつくった製品ではないので、小口では送料が合わなかったそうです。LinkedInなら、自分で相手を探すときに、従業員数などで会社の規模を先に絞れます。貴社も、待つ仕組みで来る問い合わせの量や相手が合わないなら、取引したい規模の会社をLinkedInで選び、こちらから声をかける方法を足してください。
関係の残り方の違い
LinkedInでつながった相手とは、投稿やメッセージで接点を保てます。今は必要ない相手にも、必要になったときに思い出してもらえます。担当者の個人アカウントでつながった相手を企業ページのフォローに招待しておけば、会社の資産として残せます。
費用の内訳と、展示会や広告との比べ方は「LinkedIn営業の費用相場」にまとめています。
商材と場面で使い分ける
向いている方法は、商材の性質と、会いたい相手が決まっているかどうかで変わります。
- Alibaba・
マッチングサイト 少額・多品種の 待載せて商品、 標準品 おく 意味が 大きい - 越境EC消費者向けの
商品、 待注文まで小口の 取引 ネットで 完結できる - LinkedIn高単価で、
仕様の 会担当者どうしで相談や 見積もりが 要る 製品 話を 重ねて 決まる
| 商材・場面 | 向いている方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 少額・多品種の商品、型番や仕様が決まった標準品 | Alibaba・マッチングサイト | 買い手が自分で検索して比べるので、載せておく意味が大きい |
| 消費者向けの商品、小口の取引 | 越境EC | 写真と説明で選ばれ、注文までネットで完結できる |
| 高単価で、仕様の相談や見積もりが要る製品(部品・設備・素材など) | 担当者どうしで話を重ねて決まるので、相手を決めて会いに行く | |
| 取引したい会社や役職が決まっている | 待っていても、その会社から問い合わせが来るとは限らない | |
| 新しい種類の製品で、まだ製品名で検索されない | 検索されないものは、待つ仕組みでは見つけてもらいにくい | |
| すでに問い合わせが来ていて、取りこぼしを減らしたい | 両方 | 問い合わせてきた相手を、LinkedInで確かめてつながる |
部品・設備・素材のような製品は、買い手が検索だけで決めることは少なく、用途や条件を担当者どうしで確かめて決まります。こうした製品は、会いに行く営業を中心にします。反対に、標準品や少額で多品種の商品は、買い手が自分で探して比べるので、待つ仕組みが力を発揮します。
組み合わせ方:待つ窓口と、会いに行く営業をつなぐ
- 載せる場所は持ちつつ、会いたい相手には声をかける。無料や少ない費用で載せられるマッチングサイトなら、載せておいて損はありません。そのうえで、取引したい会社が決まっているなら、LinkedInでその会社の担当者を探して声をかけます。
- 問い合わせが来たら、相手をLinkedInで確かめる。問い合わせてきた人の名前や会社名でLinkedInを調べると、会社の規模や相手の役職が分かります。返事の優先順位をつけやすくなり、つながっておけば、その後のやり取りも続けやすくなります。
- 名簿で見つけた会社には、担当者本人に届ける。マッチングサイトや企業の名簿で見つけた会社に、代表のメールや問い合わせフォームから連絡しても、担当者まで届かないことが多くあります。LinkedInなら、その会社の購買や技術の担当者を探して、本人に声をかけられます。
- 越境ECで反応のある国から、事業者の取引先を探す。越境ECで売れている国や商品が分かったら、その国の販売店・卸・輸入商社の担当者にLinkedInで声をかけ、まとまった量の取引を目指します。
なお、英語サイトは、声をかけた相手や問い合わせてきた相手が貴社を調べに来たときに、信用を確かめてもらう「守り」の土台です。
- マッチングサイトLinkedIn載せつつ、
会いたい 少ない相手には 声を かける 費用で 載せられるなら 載せておく。 取引したい 会社の 担当者は、 LinkedInで 探す - 問い合わせLinkedIn来たら、
相手を 会社のLinkedInで 確かめる 規模や 相手の 役職が 分かり、 返事の 優先順位を つけやすい。 つながって おく - 名簿LinkedIn見つけた
会社は、 代表の担当者本人に 届ける メールや 問い合わせ フォームでは、 担当者まで 届かない ことが 多い - 越境ECLinkedIn反応の
ある 販売店・国で、 事業者の 取引先を 探す 卸・ 輸入商社の 担当者に 声を かけ、 まと まった 量の 取引を 目指す
展示会や代理店も含めた販路全体の選び方は「海外の販路開拓の方法」で比べています。マッチングサイトで見つけた相手やLinkedInで声をかけた相手が、本物で本気の買い手かを見分ける方法は「海外バイヤーの見つけ方・探し方」にまとめています。
よくある失敗
- 載せたまま待ち続ける。載せただけで問い合わせが来るのは、買い手が探している商品です。しばらく動きがないなら、待つだけでなく、こちらから会いに行く方法を足します。
- 問い合わせやアポの「件数」だけを追う。件数が多くても、条件の合わない相手ばかりでは商談になりません。件数で払うアポ取りの代行も、件数が目標になるぶん質が下がりやすくなります。見るべきなのは、話す価値のある相手と会話が始まっているかです。
- LinkedInでも「待つ」使い方をする。投稿だけして申請を送らないと、狙った相手には届きません。申請を送らなければ、会いに行く営業は始まりません。
- つながった直後に売り込む。承認された直後に長い製品紹介を送ると、返信はほとんど来ません。最初の1通は、あいさつと短い質問にします。
よくある質問
Q. Alibabaに載せていれば、LinkedInは要りませんか?
役割が違うので、目的によります。Alibabaに来るのは、その製品を探している買い手です。取引したい会社や業界がはっきりしていて、その相手から問い合わせが来ていないなら、待っていても状況は変わりにくいので、LinkedInで自分から声をかける方法を足します。
Q. マッチングサイトとLinkedIn、どちらから始めればいいですか?
会いたい相手が決まっているかで決めます。標準品で、買い手が検索して比べる商品なら、載せる方法から始めます。高単価で相談が要る製品や、取引したい会社が決まっている場合は、LinkedInから始めます。Sales Navigatorの無料トライアルの間に、狙う国や業界に相手が何人いるかを確かめられます。
Q. マッチングサイトからの問い合わせが多く、対応しきれません。
すべてに同じ手間をかけず、優先順位をつけます。問い合わせてきた人の会社と役職をLinkedInで確かめ、狙う国・業界・規模に合う相手から先に返事をします。合う相手とはLinkedInでもつながっておくと、その後もやり取りを続けやすくなります。
Q. 越境ECで売っている商品でも、LinkedInは使えますか?
消費者一人ひとりに声をかける使い方には向きません。LinkedInが役に立つのは、販売店・卸・輸入商社など、まとまった量を扱う事業者を探すときです。越境ECで反応のよい国が分かったら、その国の事業者の担当者に声をかけます。
まとめ
- AlibabaなどのBtoBマッチングサイトと越境ECは、探している買い手に見つけてもらう「待つ集客」
- LinkedInは、国・業界・役職で相手を決めて声をかける「会いに行く営業」
- 標準品や少額・多品種の商品、消費者向けの商品は待つ仕組みが向き、高単価で相談が要る製品や、会いたい相手が決まっている場合はLinkedInが向く
- 問い合わせてきた相手をLinkedInで確かめてつながると、関係が自社に残る
- どちらか一方ではなく、載せる場所を持ちながら、会いたい相手には自分から会いに行く
COSPALinksは、LinkedInを使った海外営業を支援しています。LinkedIn営業の進め方と支援の内容は、資料ライブラリにまとめています。
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