海外の
この記事でわかること
- 海外の販路開拓の意味と、国選びから最初の取引までの進め方
- 展示会・代理店・商社・越境EC・英語サイト・LinkedInの違いと、製品や段階に合う選び方
- 方法の組み合わせ方、費用の考え方、よくある失敗
結論:海外の販路開拓は、国と相手を決めてから方法を組み合わせる
海外の販路開拓は、次の順に考えると迷いにくくなります。
- 国と相手を先に決める。 狙う国は1〜2か国に絞り、どの業界のどんな会社の、誰に会いたいかまで決めます。
- 方法を1つ中心に決める。 展示会、代理店・販売店、商社、越境EC、英語サイト、LinkedInの直接アプローチから、製品と段階に合うものを選びます。
- 足りない部分を別の方法で補う。 展示会の前後をLinkedInでつなぐ、代理店の先の顧客ともつながる、のように組み合わせます。
- 自分から動く方法を1つ持つ。 相手が来るのを待つ方法だけでは、会いたい相手に届くかどうかが運に左右されます。
海外営業の仕事の中身(見積もり・貿易条件・代金の回収)や、国内営業との違いから知りたい方は「海外営業とは?仕事内容・国内営業との違いと、少人数で始める新規開拓の進め方」をご覧ください。
海外の販路開拓とは:海外で売る道筋をつくること
販路開拓とは、自社の製品を買ってくれる相手と、そこへ届ける道筋(販路)を新しくつくることです。海外の販路開拓では、どの国の、どんな会社に、どの方法で売るかを決め、最初の取引まで進めます。
近い言葉との違いは次のとおりです。
- 新規開拓: 取引のない相手を見つけ、最初の取引を結ぶこと。販路開拓の中の「相手探し」にあたります。
- 販路拡大: すでにある販路で、売る国や相手を増やすこと。
海外の販路を開く方法は、相手との出会い方で3つに分けられます。
- 相手が来るのを待つ: 展示会の来場者や、越境EC・英語サイトの訪問者を待つ
- 現地や輸出に強い会社に任せる: 代理店・販売店、商社に売ってもらう
- 相手を選んで自分から動く: LinkedInなどで、会いたい会社の担当者に声をかける
- 待つ相手が
来るのを 展示会越境EC英語サイト展示会の待つ 来場者や、 越境EC・ 英語サイトの 訪問者を 待つ - 任せる現地や
輸出に 代理店・強い 会社に 任せる 販売店 商社代理店・販売店、 商社に 売って もらう - 自分から
動く 相手を選んで LinkedIn会いたい自分から 動く 会社の 担当者に、 自分から 声を かける
どれが優れているかではなく、役割が違います。この3つを組み合わせて、商談の入口を増やしていきます。
海外の販路開拓の進め方:国選びから最初の取引までの6段階
- 1目的と
強みを 海外で決める 増や したい ことと、 相手から 見た 強みを 書き出す - 2国を
1〜2か国に 需要、絞る 規制や 認証、 競合、 輸送の しやすさで 比べる - 3会う
相手を 買い手の決める 業界と 会社の 規模、 部署と 役職まで 決める - 4中心の
方法を 中心に選ぶ する 方法を 1つと、 補う 方法を 1つ 決める - 5資料と
条件を 英語の整える 資料と サイト、 見積もりの 型を 用意する - 6小さく
始める 声をかけ、 サンプルや 少量の 注文など 小さな 取引から 始める
- 目的と製品の強みを決める: 海外で何を増やしたいか(売上、新しい用途、取引先への供給など)と、海外の相手から見た強みを書き出します。
- 国を1〜2か国に絞る: 需要、規制や認証、競合、輸送のしやすさで比べます。国と相手の決め方は「LinkedIn海外営業のターゲット設定」で解説しています。
- 買い手の会社と、会う相手を決める: 業界、会社の規模、部署と役職まで決めます。探し方は「海外バイヤーの見つけ方・探し方」にまとめています。
- 中心にする方法を選ぶ: 次の章の比較と、製品・段階ごとの選び方から、中心の方法を1つと、補う方法を1つ決めます。
- 英語の資料と、取引の条件を整える: 製品の用途が分かる英語の資料とサイト、見積もりの型(通貨、貿易条件、支払い条件)を用意します。
- 声をかけ、最初の取引を小さく始める: 準備を完璧にするより、反応を見ながら直すほうが早く進みます。サンプルや少量の注文など、小さな取引から始めると、お互いに確かめやすくなります。
最初の取引までの反応を見て、力を入れる国と方法を決め直します。この流れを最初の90日に当てはめた例は「中小企業の海外進出、製造業が最初の90日でやること」で紹介しています。
海外の販路開拓の主な方法を比べる
| 方法 | 向いていること | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 展示会・商談会 | 実物を見せ、短い期間にまとめて会う | 1回の費用が大きい。来る人は選べず、会期の後に接点が途切れやすい |
| 代理店・販売店 | 現地での販売、在庫、据え付けや修理を任せる | 顧客との関係が相手側に残りやすい。相手の力と熱意に左右される |
| 商社 | 輸出の手続きや代金の回収をまとめて任せる | 買い手の声が届きにくい。商社の得意な国や業界に限られやすい |
| 越境EC | 単価が低めで、説明がなくても選ばれる商品 | 仕様の相談や見積もりが要るBtoBの製品は売りにくい。集客に手間がかかる |
| 自社の英語サイト | 調べに来た相手に信頼してもらう。問い合わせの受け皿 | 公開しただけでは人は来ない。ほかの方法と組み合わせて生きる |
| LinkedInの直接アプローチ | 国・業界・役職を決めて、会いたい人に先に声をかける | 会うまでに数往復のやり取りが要る。毎日の小さな作業を続ける必要がある |
LinkedInは、勤め先と役職を載せたプロフィールで人とつながる、仕事のためのSNSです。200以上の国と地域で14億人以上が登録しています(About LinkedIn)。待つ方法や任せる方法が中心の会社にとって、相手を選んで動く方法を足す手段になります。
製品の性質で選ぶ
説明が要るBtoBの製品は「人が会う方法」を中心に
産業機械、部品、素材、専門的なサービスのように、仕様の相談や見積もりが要る製品は、ECだけでは売りにくい製品です。相手の担当者と話を重ねるので、展示会やLinkedInのように人が会う方法を中心にします。英語サイトは、話を聞いた相手が会社を調べに来たときの受け皿として整えます。
説明なしで選ばれる商品は「ECとサイト」を中心に
食品、日用品、雑貨のように、写真と説明文で選ばれる商品は、越境ECが入口になります。現地の卸先や小売店を広げる段階になったら、代理店・商社や、その担当者に直接声をかける方法を足します。
現地での保守や在庫が要る製品は「代理店」を早めに
据え付けや修理、部品の在庫が欠かせない製品は、現地で動ける代理店・販売店が要ります。候補の会社を業界と地域で絞り、取り扱いを決める立場の人に直接話を持ちかけます。探し方は「海外代理店の探し方・見つけ方」に、契約で決めることは「海外代理店契約の基本」にまとめています。
海外展開の段階で選ぶ
- どの
国が まだ合うか 分からない LinkedInの直接アプローチ 足す英語サイト( 調べに 来た 相手の 受け皿) - 狙う
国が 実物を決まり 見せたい 展示会・商談会 足す会期の前後を つなぐ LinkedIn - 引き合いが
増え 現地で売る 体制が 要る 代理店・販売店 足す候補の担当者を 探す LinkedIn - 国内の
商社を 輸出している通して 商社今の取引は 足す商社が続ける 扱っていない 国や 業界への LinkedIn - 取引の
ある 相手を国で 増や したい LinkedInの直接アプローチ 足す展示会(今の 相手と 会う 場と して)
| 貴社の段階 | 中心にする方法 | 足すとよい方法 |
|---|---|---|
| どの国が合うか、まだ分からない | LinkedInの直接アプローチ | 英語サイト(調べに来た相手の受け皿) |
| 狙う国が決まり、実物を見せたい | 展示会・商談会 | 会期の前後をつなぐLinkedIn |
| 引き合いが増え、現地で売る体制が要る | 代理店・販売店 | 候補の担当者を探すLinkedIn |
| 国内の商社を通して輸出している | 商社(今の取引は続ける) | 商社が扱っていない国や業界へのLinkedIn |
| 取引のある国で、相手を増やしたい | LinkedInの直接アプローチ | 展示会(今の相手と会う場として) |
まだ合う国が分からない段階で大きな展示会に出ると、費用に対して得られる学びが限られます。先にLinkedInで複数の国の担当者に声をかけ、反応のよい国と業界を見てから、展示会や代理店にお金をかける国を決めると、判断の材料が増えます。
方法の組み合わせ方
- 展示会+LinkedIn: 会期の前に、来場しそうな会社の担当者とLinkedInでつながり、会場で会う約束を取ります。会期の後は、名刺の相手にもLinkedInで申請し、やり取りを続けます。流れの全体は「展示会とLinkedIn営業の比較」、会期前の準備は「海外展示会の選び方・出展準備の流れ・費用と事前アポの取り方」、会期の後のフォローは「海外展示会のリードを商談化する方法」にあります。
- 代理店+LinkedIn: 代理店の候補の会社を見つけたら、営業の責任者や経営者にLinkedInで直接声をかけます。代理店が決まった後も、現地の主要な顧客と貴社の担当者がつながっておくと、関係が代理店の中だけに閉じません。
- 商社+LinkedIn: 今の商社との取引は続けたまま、商社が扱っていない国や業界の相手を探す入口に使います。
- 英語サイト・EC+LinkedIn: 声をかけた相手は、返事の前に貴社のサイトを確かめることがあります。製品の用途、対応できる国、問い合わせ先を英語で分かりやすく載せておくと、会話が次に進みやすくなります。
COSPALinksの商談でも、手に取って選ばれる製品のメーカーから、「海外では、代理店とその先の使い手の、どちらとつながればよいか」と聞かれました。お答えは「両方」です。実物を触ってもらうことが欠かせない製品なので、展示会もやめない前提で、代理店の候補はSales Navigatorで「日本以外の国・関連する業界・distributor」の条件で探し、使い手の担当者ともつながっておく形です。貴社も、販路を1つに決めきれないときは、展示会・代理店・使い手のそれぞれで誰と会うかを書き出し、その相手をLinkedInで探してください。
社内に人手が足りないときは、支援会社や営業代行に一部を任せる方法もあります。業種ごとの進め方は、メーカーなら「製造業のLinkedIn活用」、商社なら「商社の海外新規開拓にLinkedInを使う方法」にまとめています。
海外の販路開拓にかかる費用の考え方
費用のかかり方は、方法ごとに違います。一般的な目安として、次のように考えます。
- 展示会: 海外の展示会は1回300〜600万円ほどです。名刺は約200枚集まり、そのうち見込み客は約2割です。
- LinkedInの直接アプローチ: 1人とつながるのに約1,000円です。月150人とつながれば、1年で約1,800人に届きます。
- 代理店・販売店・商社: 始める費用は小さめですが、手数料や卸値の値引きの形で、相手の取り分がかかり続けます。割合は契約で決まります。
- 越境EC: 販売の手数料、広告、海外への配送や返品の費用がかかります。
- 自社の英語サイト: 制作と翻訳、公開後の更新にお金と手間がかかります。
比べるときは、1回の金額だけでなく、何人の見込み客に会えたかで見ます。LinkedInの費用の内訳は「LinkedIn営業の費用相場」で解説しています。展示会の出展などには、国や自治体の補助金・助成金を使える場合があります。募集の時期と条件は、それぞれの窓口で確かめます。
海外の販路開拓でよくある失敗
- 方法から決めてしまう: 「まず展示会に出よう」と決めてから国と相手を考えると、会いたい相手がいない会場に出ることがあります。国と相手を先に決めます。
- 1つの方法だけに頼る: 英語サイトやECを公開して待つだけ、代理店1社に任せるだけでは、反応がないときに打つ手がありません。自分から動く方法を1つ足します。
- 一度の結果で国を決める・やめる: 1回の展示会や数件の反応だけでは、国や製品が合うかは分かりません。複数の方法の反応を合わせて判断します。
- 代理店に最初から独占を約束する: どれだけ売ってくれるかは、始めてみないと分かりません。地域や期間を区切って始めます。
- 声をかけた後の受け皿がない: 英語の資料やサイト、見積もりの型がないと、関心を持った相手を待たせてしまいます。返信には2〜3日以内に答えます。
見積もりの条件や代金の回収など、取引の進め方での失敗は「海外営業とは?」の「海外営業でよくある失敗」にまとめています。
LinkedInで海外の新規開拓を進める6ステップ
6つの方法のうち、相手を選んで自分から動けるのがLinkedInです。声をかけるのは担当者本人の個人アカウントで、企業ページからは申請もメッセージも送れません。流れは次の6ステップです。
- 整える: 英語のプロフィールで、何者で何を提供できるかを示す
- 出会う: Sales Navigator(LinkedInの営業向けの有料版)などで、国・業界・役職から会いたい人を探す
- つながる: つながり申請を送る。申請しなければ何も動き出さない
- 会話する: 承認された相手に短いあいさつを送り、返信には2〜3日以内に答える
- 育てる: 投稿ややり取りを重ね、相手の課題と関心を確かめる
- 商談へ: 3〜4往復の会話を目安に、資料の送付やオンラインの面談を提案する
ステップごとの手順は「LinkedIn営業とは?始め方を6ステップで解説」、国の選び方・英語・時差など、海外を相手にするときの注意は「LinkedIn海外営業とは?」で解説しています。
なお、LinkedInでつくれるのは、商談の手前のリードづくりまでです。受注につながるかは、製品・価格・その後の対応で変わります。
方法ごとのくわしい解説
| 知りたいこと | くわしい記事 |
|---|---|
| 海外営業の仕事と、取引の基本 | 海外営業とは?仕事内容・国内営業との違い |
| 初めての輸出の手順 | 海外輸出の始め方、インコタームズ(貿易条件)の選び方、輸出代行とは |
| 海外マーケティングの組み立て方 | 海外マーケティングとは?BtoBの進め方 |
| 海外進出の始め方 | 中小企業の海外進出、製造業が最初の90日でやること |
| 海外進出の支援の選び方 | 海外進出・海外展開の支援の選び方 |
| 国と相手の決め方 | LinkedIn海外営業のターゲット設定 |
| 買い手の見つけ方 | 海外バイヤーの見つけ方・探し方 |
| 代理店の探し方と契約 | 海外代理店の探し方・見つけ方、海外代理店契約の基本 |
| 展示会の準備と、会期後のフォロー | 海外展示会の選び方・出展準備の流れ、海外展示会のリードを商談化する方法 |
| 展示会とLinkedInの比べ方 | 展示会とLinkedIn営業の比較 |
| LinkedInでの進め方 | LinkedIn営業とは?、LinkedIn海外営業とは? |
| 国ごとの進め方の例 | インドビジネスの始め方、ベトナム・東南アジアの販路開拓、タイの販路開拓、アメリカの販路開拓、ドイツ・ヨーロッパの販路開拓、シンガポールの販路開拓、台湾の販路開拓、インドネシアの販路開拓、韓国の販路開拓、フィリピンの販路開拓 |
| 業種ごとの進め方 | 製造業のLinkedIn活用、商社の海外新規開拓にLinkedInを使う方法 |
| LinkedInの費用 | LinkedIn営業の費用相場 |
まとめ
- 海外の販路開拓は、海外で買ってくれる相手と、そこへ届ける道筋を新しくつくること
- 国選びから最初の取引までは、目的と強み→国→相手→方法→英語の資料と条件→声かけと小さな取引の順に進める
- 方法は、待つ(展示会・越境EC・英語サイト)、任せる(代理店・販売店・商社)、自分から動く(LinkedIn)の3つに分けて組み合わせる
- 説明が要るBtoBの製品は人が会う方法を中心に、説明なしで選ばれる商品はECとサイトを中心にする
- 合う国が分からない段階では、LinkedInで反応を見てから、展示会や代理店にお金をかける国を決める
- 費用は1回の金額だけでなく、会えた見込み客の数で比べる
COSPALinksは、LinkedInを使った海外営業を、狙う国と相手の決め方から毎日の運用まで支援しています。展示会や代理店と組み合わせた進め方は、資料ライブラリにまとめています。
よくある質問
A狙う国と相手を決めることから始めます。国がまだ決まっていないなら、費用を小さく始められて、反応を国ごとに比べられる方法が向いています。LinkedInで複数の国の担当者に声をかけ、反応を見てから展示会や代理店に力を入れる国を決めると、大きな出費の前に判断の材料がそろいます。Sales Navigatorには1か月の無料トライアルがあり(Sales Navigatorのプラン)、国と相手を書き出してから試すと期間を有効に使えます。
A販売を任せても、自社で顧客との接点は持っておきます。現地の主要な顧客の担当者とつながっておくと、代理店の動きが鈍ったときや、代理店を見直すときにも関係が残ります。
A国や自治体、商工会議所、金融機関などが、情報の提供、相談、商談会、資金の面で支援しています。民間の支援会社や営業代行もあります。得意な段階が違うので、市場の調査、相手探し、契約と物流のどこが足りないかを決めてから選びます。選び方は「海外進出・海外展開の支援の選び方」で解説しています。
Aできます。LinkedInのように文章でやり取りする方法なら、AI翻訳で下書きを作り、名前や会社名を見直せば始められます。英語以外の言語で送るときは、ネイティブに書いてもらわないと不自然な文になります。
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