海外バイヤーとは、
この記事でわかること
- 海外バイヤーの種類と、探す前に決めること
- 展示会・マッチングサイト・LinkedInなど6つの探し方の比べ方
- 声のかけ方と、本物で本気のバイヤーかを見分けるポイント
海外バイヤーとは:海外で自社の製品を買う会社と担当者
海外バイヤーとは、海外で自社の製品を買う会社と、その中で仕入れを決める担当者のことです。求人では「買い付けをする仕事」の意味でも使われますが、この記事では、売る側の会社から見た海外の買い手を扱います。
主な相手は、次の4種類です。
- 輸入商社: 海外から製品を輸入し、自国の会社に売る会社です。
- ディストリビューター(販売店): 製品を買い取って在庫を持ち、決まった地域や業界で売る会社です。据え付けや修理まで受け持つこともあります。
- 代理店(エージェント): 売り手の代わりに顧客を探し、注文の仲立ちをして手数料を受け取る会社です。自分では買い取らないのが一般的です。
- 海外企業の購買担当: 製品を自社の生産や商品開発に使うメーカーなどの、購買・調達の担当者です。部品や材料では、研究開発や設計の担当者が採用を左右することもあります。
相手の種類で、気にすることが変わります。輸入商社やディストリビューターは「自国で売れるか、利益が出るか」を、購買担当は「品質・価格・納期と、供給が続くか」を気にします。代理店の種類と選び方は「海外代理店の探し方・見つけ方」で解説しています。
探す前に決めること
探し始める前に次の3つを決めておくと、探し方と声のかけ方が定まります。
- 国: まず1〜2か国に絞ります。問い合わせや取引のあった国、規格や認証の壁が低い国から選ぶと進めやすくなります。
- 相手の種類: 売り先を通して広く売りたいならディストリビューターや輸入商社、使う会社と直接話したいなら購買担当、と決めます。
- 会いたい人: 会社の中の、どの部署・役職の人かまで決めます。国・業界・役職の決め方は「LinkedIn海外営業のターゲット設定」にまとめています。
あわせて、英語の会社案内と製品資料、最低発注数量(MOQ。1回に受ける注文の最小の量)、納期、取得している認証、見積もりに書く貿易条件をそろえます。貿易条件や代金の回収など、海外営業の基本は「海外営業とは?仕事内容・国内営業との違い」で解説しています。
海外バイヤーの主な見つけ方6つ
海外バイヤーを見つける方法は、主に6つです。相手に来てもらう方法と、こちらから相手を選んで声をかける方法があります。
| 方法 | 向いている場面 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 展示会 | 実物を見せたい。短い期間に多くの相手と会いたい | 費用が大きい。会期の後に連絡しないと接点が途切れる |
| BtoBマッチングサイト | 標準品で、買い手が検索して比べる製品 | 問い合わせを待つ仕組み。条件の合わない問い合わせも混ざる |
| 商談会 | 主催者が集めた相手と、まとめて話したい | 開かれる時期と国が限られる。1回で終わらせない |
| 代理店・商社 | 現地での販売・在庫・保守を任せたい | 顧客との関係が相手側に残りやすい |
| 紹介・業界団体 | 既存の取引先や業界のつながりがある | 数が限られ、待つ時間が長い |
| 国・業界・役職を決めて、自分から声をかけたい | 会うまでに時間がかかる。毎日の小さな作業が要る |
1. 展示会
海外の展示会や、海外からの来場者が多い国内の国際展示会に出展します。展示会によっては、主催者が取引の実績や購買の権限を見て海外バイヤーを招き、出展者との商談を組む仕組みもあります。費用の一般的な目安は、海外の展示会で1回300〜600万円ほど、名刺は約200枚、そのうち見込み客は約2割です。会期の前に会う約束を取る方法は「海外展示会の準備は6週間前から」で解説しています。
2. BtoBマッチングサイト
企業どうしの取引のためのサイトに自社と製品を載せ、海外の買い手からの問い合わせを待ちます。規格の決まった標準品や、買い手が仕様と価格で比べる製品に向いています。一方で、価格だけを聞く問い合わせや、条件の合わない問い合わせも混ざります。
COSPALinksがご支援する中でも、「海外のBtoBマッチングサイトとLinkedInは何が違うのか」はよく聞かれる質問です。サイトは買い手からの問い合わせを待つ仕組み、LinkedInはこちらから相手を選んで声をかける仕組みで、役目が違う、とお答えしています。LinkedInとの違いと組み合わせ方は「Alibaba・BtoBマッチングサイト・越境ECとLinkedInの違い」で比べています。
3. 商談会
公的な支援機関や自治体、業界団体などが、海外バイヤーを招いたり、オンラインでつないだりして商談会を開いています。参加するバイヤーの国や探している品目が先に示されることが多く、自社に合う相手を選んで申し込めます。商談会で会った相手にも、その後の連絡を続けます。
4. 代理店・商社を通す
海外の輸入商社やディストリビューターは、それ自体が海外バイヤーです。現地に顧客を持つ相手と組めば、一度に多くの売り先に届きます。日本の商社に輸出を任せる方法もあります。主な顧客とは自社も接点を持っておくと、後で売り方を見直すときに困りません。
5. 紹介・業界団体
既存の取引先の海外拠点、取引先からの紹介、業界団体や現地の商工会議所の会員名簿などから探します。紹介された相手には、最初から信用の手がかりがあるのが利点です。
6. LinkedInで探して声をかける
LinkedInは仕事のためのSNSで、200以上の国と地域で14億人以上が登録しています(LinkedIn公式「About LinkedIn」)。会社名だけでなく部署や役職もプロフィールに書かれているので、輸入商社の経営者やメーカーの購買担当を選んで、日本から直接声をかけられます。手順は次の章で説明します。
1つの方法にすべてを賭けず、中心にする方法を1つ決めて、足りない部分を別の方法で補います。製品の性質や段階ごとの選び方は「海外の販路開拓の方法」で、集めた会社を営業リストにまとめる方法は「海外企業リストの作り方」で解説しています。
LinkedInで海外バイヤーを探す手順
LinkedInでは、先に会社を絞り、その中で話すべき人を探します。
- 会社を絞る: 国・業界・会社の規模で候補の会社を出します。輸入商社やディストリビューターを探すなら、「importer」「distributor」「wholesale」などのキーワードを足します。
- 人を探す: 候補の会社の中で、購買・調達・輸入の担当者を探します。小さなディストリビューターでは、経営者や営業の責任者が仕入れを決めていることが多いです。
- 確かめる: プロフィールの職歴と会社のサイトで、扱う製品や顧客が自社に合うかを見ます。
- 保存する: 声をかける相手をリストに保存し、反応を記録します。
- 声をかける: つながり申請を送り、つながったらお礼と短い質問を送ります(次の章)。
- 1会社を
絞る 国・業界・ 輸入商社や会社の 規模で、 候補の 会社を 出す ディストリビュー importerdistributorwholesaleターを 探すなら、 足す キーワード - 2人を
探す 候補の会社の 小さな中で、 購買・ 調達・ 輸入の 担当者を 探す ディストリビュー 経営者営業のターで、 仕入れを 決めている ことが 多い 人 責任者 - 3確かめるプロフィールの
職歴と 会社の サイトで、 扱う 製品や 顧客が 自社に 合うかを 見る - 4保存する声を
かける 相手を リストに 保存し、 反応を 記録する - 5声を
かける つながり申請を 送り、 つながったら お礼と 短い 質問を 送る
相手の種類ごとに、英語の役職名と話の入口をまとめます。
| 相手 | 役職名(英語) | 話の入口 |
|---|---|---|
| 輸入商社・ディストリビューター | Owner, Managing Director, Import Manager | 扱う製品の分野と、自国の顧客の様子 |
| メーカーの購買・調達 | Purchasing Manager, Procurement Manager, Buyer | 今の仕入れ先の課題、調達先を増やしたい事情 |
| メーカーの研究開発・設計 | R&D Manager, Product Development Manager | 開発中の製品の課題と、試してほしい材料や部品 |
| 小売・ECの仕入れ | Category Manager, Merchandiser, Buyer | 品ぞろえに足したい商品 |
役職名の言い換えと、会社の種類ごとの窓口は「海外バイヤーの役職名を英語で|購買・調達・経営層のどこにLinkedInで声をかけるか」で解説しています。
無料のLinkedInでも、人の検索で所在地・今の会社・業界などを使って絞り込めます。営業向けの有料ツールのSales Navigatorでは、業界・会社の規模・担当業務・役職などで細かく絞り込めます。検索の条件を保存すると、新しく当てはまる人が出たときに知らせてくれ、保存した人の転職なども分かります(LinkedIn公式「How to use LinkedIn Sales Navigator」)。詳しくは「LinkedIn Sales Navigatorとは?できること・無料版との違い」をご覧ください。
声をかけるのは、担当者個人のアカウントからです。企業ページからは、つながり申請もメッセージも送れません。業種ごとの使い方は、製造業なら「製造業のLinkedIn活用」、商社なら「商社の海外新規開拓にLinkedInを使う方法」にまとめています。
食品・飲料向けの素材をつくる京都グレインシステムは、海外の食品・飲料メーカーの研究開発・商品開発・購買の責任者層に、LinkedInで声をかけました。2か月目は、つながり申請402件から163人とつながり、DMの返信が37件、有望リード(商談につながりそうな相手)が13件でした(導入事例)。食品・飲料の場合の進め方は「食品メーカーの海外販路開拓|LinkedInで輸入業者・卸に届く方法と、食品ならではの注意点」で解説しています。医療機器・ヘルスケア機器の場合は「医療機器・ヘルスケア機器の海外販路開拓|LinkedInで現地の販売代理店に届く順番と、承認・認証で相手が確かめること」で解説しています。
海外バイヤーへの声のかけ方
最初の連絡では売り込まず、相手の仕事と課題を聞くところから始めます。
- ①
自分 自分は誰か - ②
理由 なぜ相手に 連絡したか - ③ できること何が
できるか 相手の種類に 合わせて、 先に 伝える ことを 変える - ④
質問1つ 答えやすい質問を 最初の1つ 目標は、 商談ではなく 返事を もらう こと
- 最初の1通は短く: 自分は誰か、なぜ相手に連絡したか、何ができるかを2〜3文で書き、答えやすい質問を1つ添えます。
- 資料は求められてから: カタログや価格表を最初に送ると、売り込みとして読まれずに終わりがちです。
- 相手の種類に合わせる: ディストリビューターには「自国で売れる理由」を、購買担当には「品質・納期・供給の安定」を先に伝えます。
- 返信は早く: 返信は2〜3日以内に返し、3〜4往復で資料のやり取りやオンラインの面談へ進めるのが目安です。
実際のご相談では、「LinkedInでつながっても商談にならない」という声も聞きます。その場合は、つながった直後に売り込むのをやめ、つながったお礼と相手の仕事をほめる一言に、答えやすい質問を1つ添える形をお勧めしています。最初の目標は、商談ではなく返事をもらうことです。
LinkedInのつながり申請は、相手に合わせた一言を添えるのが理想です。ただ、文面に悩んで送らないよりは、メッセージなしでも送るほうが前に進みます。申請は1日10〜15分ほどで続けられます。
英語の文面の型は「LinkedInの英語メッセージ例文集」に、メールで送るときの型と例文は「英語の営業メールの書き方と例文」にまとめています。
本物で本気のバイヤーか見分けるポイント
見つけた相手は、取引の前に2つの面から確かめます。会社と担当者が本当にいるか(本物か)と、本当に買うつもりがあるか(本気か)です。
- 1本物か
: 会社の会社と 担当者が いるか サイト・ LinkedInの所在地・ 登記を 確かめた 企業ページに 会社の社員がいる ドメインの 職歴とメールを 使っている 話の 中身が 合っている - 2本気か
: 何に買うつもりが あるか 使うか、 年間の誰に 売るかを 答える 見込み量と 社内で導入の 時期を 話せる 誰が サンプルの決めるかを 話せる 評価や 面談に 応じる
- 注文の
前に、 登録料・ 認証料などの 手数料を 求める - 会った
ことの ない 相手が、 現地での 調印を 急が せる - 振込先の
変更を、 メールだけで 伝えてくる - 評価の
計画なしに、 無料の サンプルを 大量に 求める
| 確かめること | 見るところ | 注意したいサイン |
|---|---|---|
| 会社が本当にあるか | 会社のサイト、所在地、その国の会社登記、LinkedInの企業ページと社員 | サイトがない、住所が私書箱だけ、社員が見当たらない |
| 担当者がその会社の人か | 会社のドメインのメールか、LinkedInの職歴 | 無料のメールアドレスだけ、肩書きと話の中身が合わない |
| 何に使うか・誰に売るか | 用途、最終の顧客、売る地域 | 用途を聞いても答えない |
| 数量と時期 | 年間の見込み量、最初の注文の量、導入の時期 | 仕様を聞かずに大量の注文を急ぐ |
| 取引の条件 | 支払い方法、貿易条件、サンプルの扱い | 後払いだけを強く求める、条件の話を避ける |
本気度は、質問の中身に表れます。仕様・数量・認証・納期を具体的に聞く相手、社内で誰が決めるかを話せる相手、サンプルの評価や面談など次の一歩に応じる相手は、買うつもりのある相手です。価格だけを何度も聞く相手は、ほかの仕入れ先と比べるために見積もりを集めていることもあります。そうした相手にも、用途と数量を聞いてから見積もりを出します。
本気度は、こちらから聞いて確かめることもできます。ヨーロッパの会社に声をかけた支援では、会話の途中で、製品を使う設備を社内に持っているかを直接聞きました。製品を使う工程を外の会社に任せている相手は、製品を使う立場にないので、営業の担当に渡す前に見込みなしとして分けています。貴社も、製品を使う設備や工程が相手の社内にあるかを、早めに聞いておきます。
支援の現場では、LinkedInでつながった相手に送る最初の挨拶への返し方も見ています。返事がない、お礼だけ、詳しい返事がある、の3つに分け、詳しい返事をくれた相手から話を進めます。何回かやり取りするうちに、見込みのある相手かどうかの見当がついてきます。
返事の中身によっては、すぐに話を進めないほうがよい相手もいます。「もう御社のことは知っている」「すでに使っている」「今は情報交換だけ」と返ってきた相手には、売り込みを重ねません。相手の投稿に反応して関係を保ち、よい時期に改めて声をかけます。
次のような連絡が来たら、いったん止まって確かめます。
- 前払いの手数料を求める: 登録料・認証料・契約の手数料などを、注文の前に払うよう求める。
- 海外での調印に呼ぶ: 会ったことのない相手が、現地での契約の調印や費用の支払いを急がせる。
- 口座の変更をメールだけで伝える: 取引が始まってから、振込先や担当者の変更をメールで伝えてくる(ビジネスメール詐欺)。自社を名乗った偽のメールが相手に届くこともあります。口座の変更は、電話など、メール以外の方法で確かめます。
- 無料のサンプルを大量に求める: 評価の計画を聞いても、答えがない。
初めての相手とは、前払いの割合を増やす、信用状(L/C。買い手の銀行が支払いを約束する仕組み)を使う、信用調査会社の調査や貿易保険を検討する、などで代金を回収できない危険を小さくします。製品や技術によっては、相手の用途しだいで輸出に許可が要ることもあります(経済産業省の案内)。「何に使うか」を聞くのは、輸出してよいかを確かめるためにも欠かせません。
海外バイヤー探しでよくある失敗
- 国と相手を広げすぎる: どこで反応があったのか分からなくなります。1〜2か国、1種類の相手から始めます。
- 待つ方法だけに頼る: マッチングサイトに載せただけ、展示会に出ただけでは、会いたい相手に届かないことがあります。こちらから声をかける方法を1つ組み合わせます。
- 名刺やつながりを集めて終わる: 会った後、つながった後に連絡しなければ、接点は途切れます。
- 代理店候補と使う会社を混ぜる: 同じ文面で送ると、どちらにも響きません。相手の種類ごとに文面と資料を分けます。
- 最初から独占を約束する: よく知らない相手に国全体の独占販売を渡すと、後で見直しにくくなります。
- 返事が遅い: 時差で返事が1日ずつずれると、会話が冷めます。
1つ目の「広げすぎる」は、支援の現場でも起きることです。対象を広げすぎて、製品を使わない業界の会社まで多く拾ってしまい、返事がまったく来ない区分が出たことがあります。いちばん早い直し方は、声をかけている相手の一覧を、製品をよく知る人に見てもらい、合っているかを確かめることです。リストを作ったら、送り始める前に、営業や技術の担当者に一度見てもらってください。
まとめ
- 海外バイヤーとは、海外で自社の製品を買う会社と担当者。輸入商社・ディストリビューター・代理店・海外企業の購買担当などがある
- 探す前に、国・相手の種類・会いたい人を決め、英語の資料と見積もりの条件をそろえる
- 探し方は、展示会・マッチングサイト・商談会・代理店や商社・紹介・LinkedInの6つ。1つを中心にして組み合わせる
- LinkedInでは、会社を絞ってから、購買・調達・経営者など話すべき人を探して声をかける
- 取引の前に、本物か(会社と担当者)と、本気か(用途・数量・時期・決める人)を確かめる
COSPALinksは、LinkedInを使った海外営業を支援しています。海外バイヤーの探し方から、展示会や代理店と組み合わせた進め方までを、資料ライブラリにまとめています。
よくある質問
A同じではありません。海外バイヤーは、海外で自社の製品を買う相手の総称で、代理店や輸入商社はその一部です。メーカーの購買担当のように、製品を自社で使う相手も海外バイヤーに入ります。
A始められます。無料のLinkedInでも、所在地・会社・業界で人を探し、つながり申請を送れます。条件を細かく絞りたくなったら、Sales Navigatorを1か月無料で試せます。既存の取引先からの紹介も、費用をかけずに始められる方法です。
Aできます。AI翻訳で下書きを作り、名前・会社名・数字を見直せば送れます。面談では、要点をまとめた英語の資料を画面に出すと、やり取りを補えます。英語以外の言語で送るときは、ネイティブに書いてもらうか、確かめてもらいます。
Aすぐに断る必要はありませんが、見積もりや出荷の前に確かめます。会社のサイト・所在地・LinkedInの企業ページと担当者、用途と最終の顧客、数量と時期を聞きます。前払いの手数料を求められたら、取引を止めます。初めての相手とは、前払いや信用状など、代金を確実に受け取れる支払い方法で始めます。
無料相談(30分・オンライン)
貴社が会える海外の決裁者の数を、その場でお見せします。
狙いたい国・業界・役職を












セミナー10/30(金)11:00〜出版記念セミナー 受付中