食品・飲料の
この記事でわかること
- 食品・飲料で窓口になる相手と、売るものの形ごとの探し方
- LinkedInで輸入業者・卸・バイヤーに届く手順と、食品ならではの注意(サンプル・規制・賞味期限)
- 食品の見本市とLinkedInの使い分け、よくある失敗
結論:食品は「窓口になる相手」を先に決め、規制は相手に確かめながら進める
食品・飲料を海外に売るとき、最初に決めるのは「誰に売るか」です。消費者向けの食品・飲料は、現地の輸入業者や卸が窓口になります。外食やホテルに納める業務用は卸が、食品原料は原料の商社や食品メーカーの開発・購買の担当者が窓口です。LinkedInなら、国・業界・役職で相手を選び、日本から担当者本人に声をかけられます。
食品ならではの注意は、次の3つです。
- 表示・規格・衛生や輸入の規制は、国と品目で違います。 決めつけず、相手に確かめます。
- サンプルは、最初の1通では送りません。 用途が分かってから送ります。
- 賞味期限と温度帯は、見積もりの前に相手と合わせます。
COSPALinksの支援では、食品原料のように、売るものがはっきりしている業種は、返信が返ってきやすい傾向があります。貴社が何を、どんな相手に売るのかを一文で言えるようにしておくことが、最初の一歩です。
食品・飲料で窓口になる相手:売るものの形で変わる
| 売るもの | 窓口になる相手 | 話の入口 |
|---|---|---|
| 消費者向けの商品(調味料、菓子、飲料など) | 輸入業者、卸、小売のバイヤー | 売り場で選ばれる理由、ロット、保存の方法 |
| 外食・ホテル向けの業務用 | 卸、外食チェーンやホテルの仕入れ担当 | 使いやすさ、荷姿、安定して届けられるか |
| 食品原料・素材 | 食品原料の商社、食品・飲料メーカーの開発・購買 | 用途、加工の特性、品質の安定、少量対応 |
用語は次のとおりです。
- 輸入業者(importer): 海外から食品を買い、自国で輸入の手続きをして売る会社です。
- 卸(distributor、wholesaler): 仕入れた食品を、小売店や外食店に売る会社です。冷蔵・冷凍の物流を持つ会社もあります。輸入業者を兼ねる会社もあります。
- 外食・小売のバイヤー: 売り場やメニューに入れる商品を選ぶ人です。輸入業者や卸を通す会社も、直接輸入する会社もあるので、相手に聞いて確かめます。
最初の取引先になりやすいのは、輸入業者と卸です。相手の国の規制に通じていて、表示や書類の相談もできます。相手の種類の分け方と探し方の比べ方は「海外バイヤーの見つけ方・探し方」で解説しています。原料の商社など仕入れと販売を行う会社の探し方は「商社の海外新規開拓にLinkedInを使う方法」、代理店の探し方は「海外代理店の探し方・見つけ方」、展示会や越境ECを含む販路の選び方は「海外の販路開拓とは?」、技術者が選ぶ商材の役職の分け方は「製造業のLinkedIn活用」で解説しています。
- 1調味料、
菓子、 消費者向けの飲料など 商品 輸入業者卸小売のバイヤー 話の入口: 売り場で 選ばれる 理由、 ロット、 保存の 方法 - 2外食・
ホテル向けの 卸外食チェーンや業務用 ホテルの 話の仕入れ 担当 入口: 使いやすさ、 荷姿、 安定して 届けられるか - 3食品原料・
素材 食品原料の商社 食品・飲料メーカーの 話の開発・ 購買 入口: 用途、 加工の 特性、 品質の 安定、 少量対応
LinkedInで食品の輸入業者・卸・バイヤーに届く手順
LinkedInは仕事のためのSNSで、200以上の国と地域で14億人以上が登録しています(LinkedIn公式「About LinkedIn」)。部署や役職もプロフィールに書かれているので、輸入業者の責任者や小売の仕入れ担当を選んで声をかけられます。
- 1国と、
売る 国は食品を 絞る 1〜2か国、 食品は 1つか 1つの 分野 - 2会社を
探す importer、distributor、 wholesale に、 商品の 言葉を 足す - 3会社を
確かめ、 輸入業者・人を 探す 卸は 経営者か Import Manager、 小売・ 外食は Buyer、 原料は R&D や 購買 - 4プロフィールで
食品の 用途、信用を 見せる こだわり、 認証、 賞味期限、 温度帯、 ロット - 5声を
かける お礼と短い 質問から。 最初の 1通で、 カタログ・ 価格表・ サンプルの 話は しない
1. 国と、売る食品を絞る
国は1〜2か国、売る食品は1つか1つの分野に絞ります。国・業界・役職の決め方と、相手の人数の確かめ方は「LinkedIn海外営業のターゲット設定」にまとめています。
2. 会社を探す
Sales Navigator(LinkedInの営業向けの有料版)では、業界、会社の規模、担当業務、役職などで絞り込めます(LinkedIn公式「How to use LinkedIn Sales Navigator」)。業界の選択肢には、食品・飲料の製造、小売、飲食サービスなどがあります。足りないときは、キーワードで補います。
- 輸入業者・卸を探す: importer、distributor、wholesale に、商品の言葉(tea、seasoning、snack、beverage など)を足します。
- 食品原料の相手を探す: ingredient、food manufacturer を足します。
機能は「LinkedIn Sales Navigatorとは?」で解説しています。
3. 会社を確かめ、人を探す
候補の会社のサイトで、日本や近い国の食品を扱っているか、冷蔵・冷凍の商品も扱うか、どんな店や外食に売っているかを確かめます。そのうえで、話すべき人を探します。
- 輸入業者・卸: 小さな会社では、経営者(Owner、Managing Director)が仕入れを決めていることが多くあります。大きな会社では、Import Manager、Purchasing Manager など。
- 小売・外食: Category Manager、Buyer など、売り場やメニューに入れる商品を選ぶ人。
- 食品原料の相手: 食品メーカーの R&D Manager、Product Development Manager、購買の責任者。品質管理(Quality Assurance)の担当者も見ておきます。
声をかける相手は、リストに保存します(Sales Navigatorのリスト作成と保存検索)。
4. プロフィールで、食品の信用を見せる
相手は、申請を承認する前にプロフィールを見ます。食品では、用途、原料と製法のこだわり、取得している衛生管理や認証、賞味期限、温度帯(常温・冷蔵・冷凍)、最小のロット、製造現場や商品の写真が信用の手がかりです。見出し(ヘッドライン)には、扱う食品と探している相手を英語で入れます。書き方は「LinkedInプロフィールの書き方」にまとめています。
5. 声をかける
声をかけるのは、貴社の担当者個人のアカウントからです。企業ページからは、つながり申請もメッセージも送れません。承認される割合は、ざっくり2〜6割で、国や相手でかなり変わります。アジアは3〜6割を狙え、アメリカ・ヨーロッパは渋めで2〜4割です。申請は1日10〜15分ほどで回せます。
つながったら、お礼と短い質問を送ります。最初の1通で、カタログ・価格表・サンプルの話はしません。例です。
- Thank you for connecting, Maria. I see your company imports Asian food for restaurants. We are a Japanese maker of soy-based seasonings. Which categories are you looking to add?
返信は2〜3日以内に返し、3〜4回のやり取りで、資料や面談に進めます。型は「つながり申請の後の「最初の1通」」、英文の例は「LinkedInの英語メッセージ例文集」、申請の書き方は「LinkedInのつながり申請メッセージ例文とマナー」で解説しています。
食品原料の例:メーカーの開発・購買に声をかけた事例
食品原料の例として、食品・飲料向けの機能性素材(穀物原料、抹茶、ゆずパウダーなど)を加工・供給する京都グレインシステムがあります。同社が声をかけたのは、輸入業者ではなく、海外の食品メーカー・飲料メーカーの研究開発・商品開発・購買の責任者です。
LinkedInのつながりが約8人、投稿もない状態から、英語でプロフィールを作り直し、加工の制御技術、品質の安定、小ロットへの対応を、開発と購買の側の言葉で書きました。2か月目は、つながり申請402件、つながり163人、DMの返信37件、有望リード13件でした。有望リードのうち複数件で、オンライン面談の実施や調整が進み、具体的なサンプル検討や商談化に向けた対話が始まっています。
事例ページは、品質の安定、加工技術、トレーサビリティ(原料から製品までの履歴をたどれること)といった専門の情報を投稿で積み重ねると、企業の信頼を見せる資産になる、と整理しています。
食品ならではの注意:サンプル、表示や規格、賞味期限と輸送
食品は、同じ商品でも、国によって売れる条件が違います。LinkedInで話が進んだら、次の4つを確かめます。
- 1言語、
原材料、 表示・添加物、 アレルゲン 規格 Whichlabeling 国にrules apply to this product in your market? よって 決まりが 違い、 そのままでは 売り場に 出せない ことがある - 2検疫・
衛生の 衛生や証明、 輸入の 許可 輸入の Which手続き documents 品目とare needed to import it, including samples? 国で 必要な 書類が 違う。 サンプルでも 手続きが 要る ことがある - 3賞味期限How
much 輸送のremaining shelf life do you need on arrival? 日数の ぶんだけ、 相手が 受け取る ときの 残りが 短くなる - 4温度帯と
荷姿 Doyou 常温・handle ambient, chilled or frozen products? 冷蔵・ 冷凍で 運び方が 変わる。 相手に 冷蔵・ 冷凍の 物流が あるとは 限らない
| 確かめること | 食品で起きやすいこと | 相手への聞き方(英語) |
|---|---|---|
| 表示・規格(言語、原材料、添加物、アレルゲン) | 国によって決まりが違い、そのままでは売り場に出せないことがある | Which labeling rules apply to this product in your market? |
| 衛生や輸入の手続き(検疫・衛生の証明、輸入の許可) | 品目と国で必要な書類が違う。サンプルでも手続きが要ることがある | Which documents are needed to import it, including samples? |
| 賞味期限 | 輸送の日数のぶんだけ、相手が受け取るときの残りが短くなる | How much remaining shelf life do you need on arrival? |
| 温度帯と荷姿 | 常温・冷蔵・冷凍で運び方が変わる。相手に冷蔵・冷凍の物流があるとは限らない | Do you handle ambient, chilled or frozen products? |
規制は、決めつけず、相手と公的な窓口で確かめる
表示や規格、衛生や輸入の手続きは、国と品目で違い、変わることもあります。この記事では、規制の細かい中身は書きません。
農林水産省は、輸出の相談の案内で「輸出の前に必ず、輸入事業者等を通じて輸出先国の当局に最新の必要な手続きや証明書等をご確認ください」と注意しています(農林水産物等の輸出におけるよくある相談)。農林水産省やジェトロなどの公的な窓口で国と品目の手続きを調べ、最終の確認は、相手の輸入業者を通じて行います。国や品目によっては、輸入が認められていない場合もあるので、国を決める段階で、公的な窓口に確かめます。
輸入業者は、売り先であると同時に、相手国の規制を確かめる窓口です。仕様、数量、必要な認証を具体的に聞いてくる相手は、買うつもりのある相手です。見分け方は「海外バイヤーの見つけ方・探し方」で解説しています。
サンプルは、用途を聞いてから送る
サンプルは、次の順番で進めます。
- 返信をくれた相手に、用途、数量の見込み、使う時期を聞く
- 相手がサンプルをどう評価するか(誰が、いつまでに)を聞く
- 送るもの(量、荷姿、ロット、賞味期限、原材料の表)を決めて送る
- 到着の前後に、感想を聞く日を決める
最初の1通でサンプルを申し出ると、売り込みとして読まれがちです。評価の計画を聞いても答えない相手や、無料のサンプルを大量に求める相手には、いったん止まって確かめます。送る前に、相手の国での手続きも確かめます(上の表)。
賞味期限と輸送は、見積もりの前に合わせる
見積もりには、貿易条件(運賃・保険・通関の費用をどこまで売り手が持つか)、通貨、有効期限を書きます。食品では、賞味期限、温度帯、荷姿も足します。貿易条件の選び方は「インコタームズ(貿易条件)の選び方」、輸出の流れ全体は「海外輸出の始め方」で解説しています。
食品の見本市とLinkedInの使い分け
食品の見本市は、試食してもらえる点が強みです。味、食感、パッケージは、画面では伝わりません。LinkedInは見本市の代わりではなく、前後と、出ない月をつなぐ手段として使います。
| 場面 | 食品の見本市 | |
|---|---|---|
| 味・食感・パッケージを見てもらう | 向いている。その場で試食してもらえる | 向いていない。写真と説明が中心。サンプルは別に送る |
| 見本市の前 | 来場者が来るのを待つ | 会いたい輸入業者・卸に「会場で会いましょう」と声をかける |
| 見本市の後 | 名刺のまま止まりやすい | 名刺の相手に申請し、会場で話した内容を引き継いで連絡する |
| 出ない月 | 次の開催まで待つ | 新しい相手とつながり続ける |
事前アポの取り方は「海外展示会の選び方・出展準備の流れ・費用と事前アポの取り方」、見本市の後は「海外展示会のリードを商談化する方法」、費用やスピードの比べ方は「展示会とLinkedIn営業の比較」で解説しています。
食品の海外営業でよくある失敗
- 相手の種類が違うのに、同じ文面を送る。 輸入業者、卸、バイヤー、メーカーでは、知りたいことが違います。文面と資料を分けます。
- 規制を確かめずに、サンプルや見積もりを出す。 後から、表示や書類で話が止まります。話が具体的になったら、相手に聞きます。
- 賞味期限と温度帯を伝えずに、見積もりを出す。 輸送の日数で、相手が受け取る時点の残りが変わります。
- 最初の1通で、カタログ・価格表・サンプルを送る。 売り込みとして読まれます。最初の目標は、返事をもらうことです。
- 「おいしい」「日本産」だけで終わる。 相手の売り場で何が違うのか(用途、ロット、保存の方法)を一文で言えるようにします。
まとめ
- 食品・飲料の海外販路は、売るものの形(消費者向け、業務用、原料)で窓口になる相手が決まる
- 窓口は、輸入業者、卸、食品原料の商社、外食・小売のバイヤー、原料なら食品メーカーの開発・購買
- LinkedInでは、国と食品を絞り、会社を確かめてから、担当者個人のアカウントで声をかける
- 規制は国と品目で違う。相手の輸入業者と公的な窓口に確かめる
- サンプルは用途を聞いてから送り、賞味期限と温度帯は見積もりの前に合わせる
- 食品の見本市は試食に強く、LinkedInはその前後と出ない月をつなぐ
COSPALinksは、LinkedInを使った海外営業を支援しています。狙う国と相手の決め方から、展示会や代理店と組み合わせた進め方までを、資料ライブラリにまとめています。
よくある質問
Aいます。食品の輸入業者、卸、食品メーカーの担当者が登録しています。ただし、国や商品の分野で、声をかけられる人数は違います。Sales Navigatorの1か月の無料トライアルの間に、条件ごとの人数を確かめてから、国を決めます。確かめ方は「[ニッチな商材や小さな国でもLinkedIn営業は使える?](/column/3225)」で解説しています。
A消費者に直接売る使い方には向きません。役に立つのは、輸入業者、卸、小売や外食のバイヤーなど、まとまった量を扱う事業者を探すときです。消費者向けのネット販売との違いは「[Alibaba・BtoBマッチングサイト・越境ECとLinkedInの違い](/column/3442)」で比べています。
A声をかけること自体は構いません。ただし、国を決める前に、その品目を輸出できるかを公的な窓口で確かめます。話が具体的になったら、表示や輸入の手続きを相手に確かめます。
A両方を兼ねる会社もあるので、種類で迷わず、売る食品と国に合う会社から声をかけます。最初の面談で、自社で輸入するのか、誰に売っているのかを聞くと、立場が分かります。
無料相談(30分・オンライン)
貴社が会える海外の決裁者の数を、その場でお見せします。
狙いたい国・業界・役職を












セミナー10/30(金)11:00〜出版記念セミナー 受付中