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LinkedIn活用

海外営業とは?仕事内容・国内営業との違いと、少人数で始める新規開拓の進め方

監修中島 嘉一株式会社コスパ・テクノロジーズ 代表取締役

海外営業とは、海外の企業に自社の製品やサービスを売り、輸出の手配と代金の回収まで進める仕事です。国内営業と比べると、言葉・時差・貿易条件・商習慣が違い、受注までの期間も長くなりがちです。そのぶん、最初に「どの国の、どんな相手に、どの方法で会うか」を決めれば、少人数でも始められます。この記事では、海外営業の仕事内容と国内営業との違い、海外の顧客を見つける方法の比べ方、始めるときに必要なものとよくある失敗をまとめます。

この記事でわかること

  • 海外営業の仕事内容と、国内営業との違い
  • 海外の顧客を見つける5つの方法の比べ方
  • 少人数で海外営業を始めるときに必要なものと、よくある失敗

海外営業とは:海外の企業に売り、代金を回収するまでの仕事

海外営業とは、海外の企業や販売店に、自社の製品・サービスを売る仕事です。買い手を探して商談し、見積もりと取引条件を決め、輸出の手配をして、代金を回収するところまでを受け持ちます。

働き方は大きく2つあります。

  • 日本から海外とやり取りする: 日本の本社にいて、メールやオンラインの面談、出張で海外の相手と商談します。海外に拠点のない会社は、この形から始めます。
  • 現地に駐在する: 海外の拠点に赴任し、現地の顧客を担当します。

始めるときに大切なのは、国と相手を絞り、会う方法を決めて続けることです。この記事では、海外営業を始める・立て直す会社の側から、仕事の中身と進め方をまとめます。

海外営業の主な仕事内容

海外営業の仕事は、次の4つに分けられます。

海外営業の4つの仕事買い手を探して商談し、輸出の手配をして、代金を回収するところまで受け持つ
  1. 1買い手を探す展示会代理店オンライン狙う国と業界を決め、会社と担当者を探す
  2. 2見積もりと取引条件貿易条件通貨支払条件条件をそろえて見積もる
  3. 3輸出と代金の回収通関信用状輸出管理通関や船積みを頼み、回収できない危険を小さくする
  4. 4受注後のフォロー問い合わせ・不具合・追加注文に応える
受注のあとも次の注文や紹介につながるかは、受注後の対応で決まる

1. 買い手を探す

狙う国と業界を決め、製品を使いそうな会社と、その中の担当者を探します。展示会で会う、代理店を通す、オンラインで自分から声をかけるなど、方法はいくつかあります(この後の章で比べます)。会った相手から、現地の市場や競合の様子を聞くことも大事な仕事です。

2. 見積もりを出し、取引条件を決める

海外向けの見積もりは、国内の価格表をそのまま出すのではなく、次の条件をそろえて作ります。

  • 貿易条件: 運賃・保険・通関の費用をどこまで売り手が持ち、どこで荷物の危険が買い手に移るか
  • 通貨と有効期限: 円か外貨か。外貨なら、使った為替レートと見積もりの有効期限を書く
  • 最低の注文数・梱包・支払条件

貿易条件には、国際商業会議所(ICC)が定める「インコタームズ」という共通のルールがあります。EXW(工場渡し)、FOB(本船渡し)、CIF(運賃保険料込み)、DAP(仕向地持込渡し)など11の規則があり、船で運ぶときだけに使うもの(FOB・CIFなど)と、どの輸送手段にも使えるもの(EXW・DAPなど)に分かれます。

インコタームズが決めるのは、費用の分け方、危険が移る場所、売り手と買い手それぞれの義務です。代金の額や支払い方法、所有権がいつ移るかは決めていないので、契約書で別に決めます。使うときは「インコタームズ2020」のように、版も契約書に書きます。規則の一覧はICCの公式ページで確かめられます。11の規則の違いと、見積もりでの選び方は「インコタームズ(貿易条件)の選び方」で解説しています。

3. 輸出の手配と代金の回収

受注したら、輸出の手続きと代金の回収を進めます。

  • 輸出の手続き: 税関への輸出の申告と許可(通関)や船積みは、通関業者や物流会社に頼むのが一般的です。船で送ると、船会社が船荷証券(B/L。荷物を受け取る権利を示す書類)を出します。
  • 代金の回収: 主な方法は、銀行からの送金(前払い・後払い)、信用状(L/C。買い手の銀行が支払いを約束する仕組み)、D/P・D/A(買い手が銀行で代金を払うか手形の支払いを約束すると、荷物を受け取るための書類が渡る方法)です。後払いの送金には、支払いの約束がありません。初めての相手とは、前払いの割合を増やす、信用状を使う、貿易保険を検討するなどして、回収できない危険を小さくします。
  • 輸出管理の確認: 製品や技術によっては、輸出に経済産業大臣の許可が要ります(安全保障貿易管理)。図面や技術資料をメールで送ることも対象になりえます。当てはまるかどうかは輸出する側が判断するので、経済産業省の案内で早めに確かめます。

初めて輸出するときの手順と、直接輸出・間接輸出の違いは「海外輸出の始め方」にまとめています。

4. 受注後のフォロー

納品後の問い合わせ、不具合への対応、部品や消耗品の追加注文、次の案件の相談に応えます。現地で修理や保守が要る製品は、代理店や現地の協力会社と役割を分けておきます。次の注文や紹介につながるかは、受注後の対応で決まります。

国内営業との違い

国内営業と比べると、次の点が違います。

項目国内営業海外営業
言葉日本語英語が中心。相手の国の言葉が要ることも
時間同じ時間帯時差があり、返事が翌日になりやすい
取引条件慣れた条件で進む貿易条件・通貨・支払条件を相手ごとに決める
商習慣共通の前提が多い決め方・契約書の重み・休みの時期が違う
受注までの期間比べると短いサンプル・試験・条件の確認が重なり、長くなりがち
法律・手続き国内の取引のルール輸出の手続き、輸出管理、相手国の規格や認証
  • 言葉: 英語のやり取りは、AI翻訳で壁が大きく下がりました。名前・会社名・数字だけは必ず見直します。英語以外の言語は、ネイティブが書かないと不自然になります。
  • 時差: 相手の業務時間と重なる時間が短いので、返事を後回しにすると会話が冷めます。毎日決まった時間に、届いた連絡に返す習慣をつけます。
  • 商習慣: 誰が決めるか、契約書をどこまで細かく作るかは、国や会社で違います。最初の商談で、相手の社内での決め方を聞いておくと進めやすくなります。
  • 期間: 受注までが長いので、途中の反応(返信、面談、サンプルの依頼)を記録し、手応えを判断します。
  • 法律・手続き: 輸出の手続きと輸出管理に加えて、相手国の規格や認証が要る製品もあります。売れるかどうかの前に、輸出してよいか、相手国でそのまま使えるかを確かめます。

受注までの期間について、COSPALinksがご支援する中で見えているのは、段階が進むほど時間がかかることです。つながりは始めた月から増えますが、返事をもらう、商談にする、と進むにつれて難しくなります。受注は長期戦と考えて、段階ごとの進み具合を見ていきます。

海外の顧客を見つける5つの方法

海外の顧客を見つける方法は、主に5つです。相手が来るのを待つ方法と、こちらから相手を選んで動く方法があります。手段の役割分担と見る数字は「海外マーケティングとは?BtoBの進め方」で解説しています。

方法向いている場面気をつけたいこと
展示会実物を見せたい。短い期間でまとめて会いたい費用が大きい。会期の後に連絡しないと接点が途切れる
代理店・商社現地での販売・在庫・保守を任せたい顧客との関係が相手側に残りやすい
越境EC(海外の買い手にネットで直接売る)説明がなくても選ばれる、単価が低めの商品仕様の相談が要るBtoBの製品は売りにくい
現地法人(海外に自社の会社をつくる)売上の見込みが立ち、現地で腰を据えて売りたい設立と運営の負担が大きく、最初の一歩には重い
オンラインでの直接アプローチ(LinkedInなど)国・業界・役職を決めて、会いたい人に先に声をかけたい会うまでに時間がかかる。毎日の小さな作業が要る

費用の一般的な目安として、海外の展示会は1回300〜600万円ほどで、名刺は約200枚、そのうち見込み客は約2割です。LinkedInは、1人とつながるのに約1,000円が目安です。

1つの方法にすべてを賭けず、製品と段階に合う方法を1つ中心に決め、足りない部分を別の方法で補います。製品の性質や海外展開の段階ごとの選び方と組み合わせ方は「海外の販路開拓とは?新規開拓の方法・進め方と、販路の選び方」で比べています。展示会に出るときの事前の準備は「海外展示会の準備は6週間前から」、代理店の探し方は「海外代理店の探し方・見つけ方」で解説しています。

オンラインでの直接アプローチ:LinkedIn LinkedInは仕事のためのSNSで、200以上の国と地域で14億人以上が登録しています。LinkedIn自身も「About LinkedIn」で、世界最大のプロフェッショナルネットワークと紹介しています。会社名だけでなく部署や役職まで分かるので、「東南アジアの食品メーカーの研究開発の担当者」のように、会いたい人を選んで日本から声をかけられます。展示会の前に会う約束を取る、代理店の候補の責任者に直接話す、といった組み合わせにも使えます。進め方は「LinkedIn海外営業とは?Sales Navigatorで海外顧客を開拓する方法と成功事例|国選び・英語・展示会との違い」で解説しています。業種ごとの使い方は、製造業なら「製造業のLinkedIn活用|設計者・開発者に届く海外営業と、Sales Navigatorの絞り込み方」、商社なら「商社の海外新規開拓にLinkedInを使う方法|売り先と仕入れ先を探す海外営業の進め方」にまとめています。

少人数で海外営業を始めるときに必要なもの

大きな部署がなくても、海外営業は始められます。最初にそろえたいのは、次の5つです。

  • 狙う国と相手: 国は1〜2か国に絞り、業界と、会いたい人の部署・役職まで決めます。これまでに問い合わせや取引のあった国から選ぶと、判断の材料がそろっています。
  • 英語の資料とサイト: 会社案内、製品の用途と仕様、対応できる国、問い合わせ先を英語で用意します。声をかけた相手は、話を聞く前にサイトで貴社を確かめます。
  • 見積もりの型: 貿易条件、通貨、有効期限、支払条件、最低の注文数を決めた型を作っておくと、引き合いにすぐ答えられます。
  • 相談できる実務の相手: 通関業者・物流会社と取引銀行です。自社の製品が輸出管理に当たるかも、早めに確かめます。
  • 担当者と、毎日の時間: 兼任でも構いません。返信や記録に使う時間を、毎日決めておきます。

支援の現場では、「誰がやるのか、時間が取れない」というご相談に、つながり申請を1日10〜15分ほどの日課にするようお勧めしています。担当は若手に任せても構いません。

社内だけで回らない作業は、外部に任せる方法もあります。たとえばLinkedInの運用なら、委託で始めて、成果の出た地域から社内に移していく進め方があります。海外営業代行に頼めることと選び方は「海外営業代行とは?頼めることと3つのタイプの違い」で解説しています。公的機関・コンサル・商社など、外の支援の違いと段階ごとの使い分けは「海外進出・海外展開の支援の選び方」で整理しています。

担当者に求められること

  • 語学: 英語で要点を短く書けること。AI翻訳を下書きに使えば、得意でなくても始められます。
  • 貿易の基礎: 貿易条件と支払い方法の意味を知り、見積もりで説明できること。
  • 続ける力: 返事がなくても国や相手を変えて試し、反応を記録して直せること。
  • 相手の文化への関心: 相手の国の祝日や商習慣を知り、合わせられること。

「社内に英語のできる人がいない」は、ご相談でよく出る不安です。COSPALinksでは、LinkedInでのやり取りなら、AI翻訳で英文を作り、届いた返事も訳して読む形で始められる、とお伝えしています。英語の得意な人には、商談の段階から加わってもらう形でも進められます。

始める順番

少人数で海外営業を始める順番大きな部署がなくても始められる。担当者は兼任でもよい
  1. 1狙う国と相手を決める国は1〜2か国に絞り、会いたい人の部署・役職まで決める
  2. 2資料と見積もりの型をそろえる会社案内、製品の用途と仕様、問い合わせ先を英語で用意する
  3. 3会う方法を1つ決める毎日・毎週の作業にする
  4. 4反応を記録する返信・面談・見積もりの依頼を、国と相手ごとに記録する
  5. 5費用の大きい方法を足す反応のよい国に、展示会や代理店を足す
毎日の時間返信や記録に使う時間を、毎日決めておく
  1. 狙う国と相手を決める
  2. 英語の資料・サイト・見積もりの型をそろえる
  3. 会う方法を1つ決め、毎日・毎週の作業にする
  4. 反応(返信・面談・見積もりの依頼)を、国と相手ごとに記録する
  5. 反応のよい国に、展示会や代理店など費用の大きい方法を足す

海外営業でよくある失敗

  • 国を広げすぎる: 一度に多くの国を狙うと、どこで反応があったのか分からなくなります。まず1〜2か国から始めます。
  • 展示会に出て終わる: 名刺を交換しても、会期の後に連絡しなければ接点は途切れます。会期の前に会う約束を取り、終わったらすぐに連絡します。
  • 代理店に任せきりにする: 顧客との関係が代理店の中だけに残り、見直すときに困ります。主な顧客とは、自社も接点を持っておきます。
  • 条件をあいまいにしたまま見積もる: 貿易条件や通貨を書かずに価格だけを出すと、運賃や保険を誰が持つかで、後から食い違いが起きます。
  • 支払条件を決めずに出荷する: 初めての相手に後払いで出すと、回収できない危険を売り手が負います。
  • 日本語の資料をそのまま訳す: 国内の顧客向けの言い回しは伝わりにくいものです。相手の用途と課題から書き直します。
  • 輸出管理を確かめずに資料を送る: 製品だけでなく、図面や技術資料を海外に送ることも、許可が要る場合があります。送る前に当てはまるかを確かめます。
  • 返事が遅い: 時差で返事が1日ずつずれると、会話が冷めます。届いた連絡には、日本の業務時間のうちに返します。

まとめ

  • 海外営業とは、海外の企業に売り、輸出の手配と代金の回収まで進める仕事
  • 主な仕事は、買い手探し、見積もりと取引条件、輸出の手配と代金の回収、受注後のフォロー
  • 国内営業との違いは、言葉・時差・貿易条件・商習慣・受注までの期間・輸出の手続き
  • 顧客を見つける方法は、展示会・代理店/商社・越境EC・現地法人・オンラインの直接アプローチ。1つを中心にして組み合わせる
  • 少人数で始めるなら、国と相手を絞り、英語の資料と見積もりの型をそろえ、毎日の時間を決める

COSPALinksは、LinkedInを使った海外営業を支援しています。狙う国と相手の決め方から、展示会や代理店と組み合わせた進め方までを、資料ライブラリにまとめています。

よくある質問

A同じではありません。海外営業は海外の顧客に売る仕事のことで、日本にいながら担当することもできます。海外駐在は、海外の拠点に赴任して働くことです。海外に拠点のない会社は、日本から海外営業を始め、取引が増えた国に拠点を置くかを考えます。

A始められます。メールやメッセージは、AI翻訳で下書きを作り、名前・会社名・数字を見直せば送れます。オンラインの面談では、要点をまとめた英語の資料を画面に出すと、やり取りを補えます。英語以外の言語で送るときは、ネイティブに書いてもらうか、確かめてもらいます。

A始められます。通関や船積みは通関業者・物流会社に、代金の回収の方法は取引銀行に相談できます。社内で押さえたいのは、見積もりに書く貿易条件(インコタームズ)と支払条件の意味です。ここがあいまいなまま見積もると、後で費用の負担をめぐって食い違いが起きます。

A続けられます。大事なのは、毎日決まった時間を取ることです。国と相手を絞り、会う方法を1つ決めれば、作業は小さく分けられます。たとえばLinkedInでのつながり申請なら、1日10〜15分ほどで回せます。反応のよい国が見えてから、人や予算を足します。

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中島 嘉一株式会社コスパ・テクノロジーズ代表取締役LinkedInセールス活用の専門家
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