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代表取締役 中島 嘉一LinkedIn & Sales Navigator活用の専門家中島 嘉一NAKAJIMA, Kaichi株式会社コスパ・テクノロジーズ 代表取締役電機メーカーで海外営業を経験し、上海で起業。現在はLinkedIn・Sales Navigatorを活用して、日本企業の海外顧客開拓を支援しています。
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LinkedIn活用

海外からの問い合わせを成約につなげる方法|メールで止まる理由と、LinkedInで商談に変える進め方

監修中島 嘉一株式会社コスパ・テクノロジーズ 代表取締役

海外からの問い合わせが成約しない原因の多くは、相手ではなく、受けたあとの進め方にあります。メールで1回返して待つだけでは、時差で会話が遅れ、問い合わせた人が決める立場かどうかも分からないまま止まります。問い合わせが来たら、LinkedInで相手を確かめ、つながって、メールと並べて連絡すると、商談まで進めやすくなります。この記事では、成約しない理由、LinkedInを使うかどうかの判断とアカウントの整え方、問い合わせの分け方と連絡の手順をまとめます。

この記事でわかること

  • 海外からの問い合わせが、メールだけでは成約まで進まない5つの理由
  • 問い合わせた人をLinkedInで確かめ、「決める人/調べている人/合わない相手」に分ける見方
  • メールとLinkedInを並べて、オンライン面談まで進める連絡の手順

結論:問い合わせは「すぐ返し、確かめて分け、人どうしでつながる」

海外からの問い合わせは、こちらから声をかけた相手より、ずっと商談に近い相手です。支援の現場でも、電話の営業で比べると、こちらからかけた相手より、問い合わせてきた相手のほうが、面談の約束が取れる割合はけた違いに高い、という話がよく出ます。それでも成約まで進まないのは、問い合わせを受けたあとの進め方で止まっているからです。

進め方の要点は3つです。

  1. すぐ返す: 受け取った日のうちに、遅くとも翌営業日に、質問への答えと次の一歩を1つ返す
  2. 確かめて分ける: 問い合わせた人をLinkedInで確かめ、「決める人」「調べている人」「合わない相手」に分けて、手間のかけ方を変える
  3. 人どうしでつながる: 問い合わせた人とLinkedInでもつながり、メールと並べて連絡する。必要なら、同じ会社の決める人・使う人にもつながる

海外からの問い合わせが成約しない5つの理由

1. 返信が遅く、時差で1往復に何日もかかる

社内で確認を重ねてから返すと、時差もあって1往復に何日もかかり、その間に相手はほかの会社と話を進めます。

2. 資料を送って終わり、次の一歩がない

カタログと価格表を送って「ご検討ください」で終えると、相手は次に何をすればよいか分かりません。質問に答えたうえで、「仕様を確かめる短いオンライン面談」「サンプルの条件の相談」など、次の一歩を1つだけ示します。

3. 問い合わせた人が、決める人とは限らない

問い合わせを送るのは、情報を集める担当者であることがよくあります。決めるのは、その上司や技術・購買の責任者です。問い合わせた人とだけ話していると、相手の社内で話が止まっても、こちらからは見えません。

4. メールだけの細い接点は、途切れやすい

メールは迷惑メールに振り分けられたり、ほかのメールに埋もれたりします。担当者が異動すると、それきり返事が来なくなります。

5. 相手から見て、こちらが誰か分からない

相手の手がかりは、会社のメールアドレスと英語サイトだけです。担当者の顔と経歴が見えないと、相手は社内で「この会社と話を進めよう」と言いにくくなります。

止まる理由起きていることLinkedInで足せること
返信が遅い時差で1往復に何日もかかり、相手がほかの会社と話を進める当日中のメールに加え、つながって短い確認ができる窓口を持つ
次の一歩がない資料を送って待つだけになる相手の役職と関心を見て、合う一歩(面談・資料・サンプル)を選ぶ
決める人が見えない問い合わせた人の社内で話が止まる職歴と会社の社員から、決める人・使う人を確かめる
接点が細い迷惑メール・不在・異動で途切れる人どうしでつながり、相手が会社を移っても連絡先が残る
こちらが見えない会社のアドレスとサイトしか手がかりがない顔写真と経歴のあるプロフィールで、担当者を確かめてもらえる

LinkedInを使ったほうがいいか:メールの代わりではなく、横に並べる

LinkedInは仕事のためのSNSで、200以上の国と地域で14億人以上が登録しています(About LinkedIn)。海外のBtoBの相手は、名前と会社名で探すと、役職や職歴まで分かることが多く、問い合わせの対応に足すと役立ちます。

LinkedInを足したほうがよいのは、次のような場合です。

  • 仕様の確認やサンプルの評価をはさみ、決めるまでに時間がかかる
  • 使う人・技術・購買など、決めるのに何人も関わる
  • 問い合わせの数は少ないが、1件ごとの重みが大きい

逆に、問い合わせからそのまま小口の注文が入る商材や、相手が個人の消費者の場合は、メールとサイトの対応を整えるほうが先です。

場面メールだけの対応メール+LinkedIn
相手を確かめるメールの署名と会社のサイトだけ役職・在籍の長さ・同じ会社の社員まで分かる
届いたかどうか返事が来るまで分からない申請の承認やメッセージの返事で、届いていることが分かる
関わる人問い合わせた人1人決める人・使う人にもつながれる
返事が止まったとき追いかけのメールを重ねるしかない投稿や相手の近況への反応で、売り込まずに接点を保てる

見積もりや契約のやり取りは、これまでどおりメールに残します。LinkedInは、メールが届きにくい場面を補い、人と人の関係を残すために使います。

先に整える:問い合わせた人が確かめに来るアカウント

返事を受け取った相手は、たいてい担当者と会社を調べます。そのときに見つかるアカウントを、先に整えておきます。

主役は担当者の個人アカウント

  • LinkedInの企業ページからは、つながり申請もメッセージも送れません。問い合わせに対応する担当者が、個人アカウントを持ちます。
  • 個人アカウントを仕事に使うのは、海外では標準です。つながった相手を企業ページのフォローに招待しておけば、つながりは会社の資産にもなります。
  • 登録の手順は「LinkedInの登録方法|初心者向けのアカウント作成手順」にまとめています。

プロフィールは「この人に任せて大丈夫か」に答える形に

  • 顔写真と名前: 名前は英語の表記にします。顔が見えると、初めての会社からの連絡でも相手は安心します。
  • 見出し: 会社名と担当(たとえば「Overseas Sales, industrial components」)に加えて、どんな相手のどんな課題を助けるかを短く書きます。
  • 職歴と企業ページ: 今の会社の職歴を企業ページにつなげ、企業ページには会社のサイトのURLを載せます。
  • 自己紹介: 扱う製品の分野と対応できる国を、英語で数行にまとめます。

書き方の例は「LinkedInプロフィールの書き方を例文付きで解説」にあります。英語の文は、AI翻訳で下書きを作り、名前・会社名・数字を見直せば十分です。

あわせて、問い合わせに返すメールの署名に、自分のプロフィールのURLを入れておきます。相手がメールから担当者を確かめられ、つながる入口にもなります。

問い合わせの対応だけなら、無料のアカウントで始められます。似た会社や関係者を探すようになったら、有料のSales Navigatorを検討します。機能はSales Navigatorの使い方(LinkedIn公式)で確かめられます。

問い合わせた人をLinkedInで確かめ、3つに分ける

確かめること

問い合わせのフォームやメールにある名前と会社名で、LinkedInを探します。見るのは次の4つです。

  • 役職と部署: 購買・技術・経営など、どの立場の人か
  • 在籍: その会社に今いるか、どれくらい長いか
  • 会社: 企業ページの業種・規模・所在地と、社員の顔ぶれ
  • 決める立場か: 本人が決めるのか、上司や別の部署が決めるのか

LinkedInを使っていない人もいるので、見つからないことだけで見込みなしとは決めません。会社が本当にあるか、本当に買うつもりがあるかの見方は「海外バイヤーの見つけ方・探し方|本物で本気の買い手の見分け方」の表にまとめています。

「決める人/調べている人/合わない相手」に分ける

問い合わせた人を、3つに分けて手間のかけ方を変えるLinkedInで役職・部署・在籍・会社を確かめてから分ける
  1. 決める人用途・数量・時期を具体的に聞く
  2. 調べている人比べるための資料や価格を求める
  3. 合わない相手会社が確かめられない
問い合わせの多くは「調べている人」。見込みが薄いのではなく、決める人への入口と考える
分け方見分けるサイン手間のかけ方
決める人部長・事業の責任者・経営者。用途・数量・時期を具体的に聞く担当者が直接対応する。すぐにつながり、オンライン面談を提案する
調べている人担当者・技術の調査役。比べるための資料や価格を求める資料を早く返し、つながって関係を保つ。決める人が誰かを聞き、その人にも回せる資料を渡す
合わない相手学生・売り込み・扱いのない用途や地域。会社が確かめられない丁寧に短く返す。追いかけの連絡は送らない

問い合わせの多くは「調べている人」です。見込みが薄いのではなく、決める人への入口と考えます。用途・仕様・導入の流れを英語で1枚にまとめて渡すと、相手が社内で説明しやすくなります。

展示会で集めた名刺を、商談の確度で分けて進める方法は「海外展示会のリードを商談化する方法」で解説しています。問い合わせの場合は、相手が自分から来ているぶん、「誰が来たか」で分けると、次の一手を決めやすくなります。

メールとLinkedInを並べて、面談まで進める手順

メールとLinkedInを並べて、面談まで進める見積もりや契約のやり取りはメールに残し、LinkedInで人と人の関係を残す
  1. 受け取った日のうちに、メールで返す質問への答えと、次の一歩を1つだけ
  2. 同じ日に、つながり申請を送る問い合わせへの返事と同じ日なら、自然な申請
  3. つながったら、メールが届いたか確かめる迷惑メールに入っていても、ここで気づいてもらえる
  4. 必要なら、決める人・使う人にもつながる企業ページの社員一覧から。問い合わせた人を飛び越さない
  5. 返事が止まったら、投稿で接点を保つ製品の使われ方や開発の現場の話
  6. 返事が来たら、オンライン面談へ2〜3日以内に答え、3〜4往復を目安に

1. 受け取った日のうちに、メールで返す

質問への答えと、次の一歩を1つだけ書きます。相手の業務時間に届くよう、時差を見て送ります。たとえば日本の夕方に送ると、ヨーロッパでは朝のうちに届きます。英文メールの型は「英語の営業メールの書き方と例文」を参考にしてください。

2. 同じ日に、LinkedInでつながり申請を送る

メールを送ったら、問い合わせた人にLinkedInでつながり申請を送ります。問い合わせへの返事と同じ日なら、相手にとっても自然な申請です。一文を添えるなら、誰からの申請か分かるようにします。

Thank you for your inquiry. I’m the person who replied to you by email today, and I’d be glad to stay in touch here. (お問い合わせありがとうございます。本日メールでお返事した担当です。こちらでもつながっていただけるとうれしいです。)

一文を書けずに送らないより、メッセージなしでも送るほうが前に進みます。

自分から手を挙げた相手でも、担当者から個別に一言届くかどうかで、次の一歩に進むかが変わります。LinkedInでイベントを開いた例でも、参加を表明した人に個別のメッセージを送ると、送らなかったときより、当日に参加する人がはっきり増えました。問い合わせも同じで、会社の窓口からの返事に、担当者本人からの一言を重ねます。

3. つながったら、メールが届いているかを確かめる

承認されたら、お礼と一緒に「メールで資料をお送りしました」と短く伝えます。迷惑メールに入っていても、ここで気づいてもらえます。売り込みは書きません。

4. 必要なら、同じ会社の決める人・使う人にもつながる

問い合わせた人が「調べている人」だった場合は、その会社の企業ページの社員一覧から、決める立場の人や、製品を使う部署の人を探します。役職名の読み方は「海外バイヤーの役職名を英語で」が参考になります。

気をつけたいのは、問い合わせた人を飛び越さないことです。

  • 問い合わせの中身を、本人の了解なく、同じ会社のほかの人に伝えない
  • ほかの人への申請は、あいさつにとどめる
  • いちばん自然なのは、問い合わせた人に「ほかにご一緒に話せる方はいますか」と聞き、紹介してもらうこと

5. 返事が止まったら、投稿で接点を保つ

メールの追いかけは回数を決めて止め、LinkedInのつながりを残して待ちます。製品の使われ方や開発の現場の話を投稿しておくと、相手の目に自然に触れます。相手が投稿に反応したときが、もう一度声をかける合図です。進め方は「LinkedInの投稿で見込み客を育てる方法」で解説しています。

6. 返事が来たら、オンライン面談へ

返事が来たら2〜3日以内に答え、3〜4往復を目安に、短いオンライン面談を提案します。日程の出し方と初回の面談の流れは「海外バイヤーから返信が来たら|最初のオンライン商談までの進め方」に、返事に使える英文は「LinkedInの英語メッセージ例文集」にまとめています。

問い合わせの記録を、自分から声をかける相手選びに生かす

問い合わせは、どんな会社が貴社の製品を探しているかを教えてくれる材料です。1件ごとに、次のことを残します。

  • どこから来たか(検索広告・SNS広告・サイトの検索など)と、何を見て問い合わせたか
  • 会社の業種・規模・国と、問い合わせた人の役職
  • 3つのどれに分けたか、LinkedInでつながったか
  • 返事・面談・見積もりのどこまで進んだか

件数がたまると、商談まで進みやすい会社と役職が見えてきます。その条件で、まだ問い合わせてきていない似た会社を探し、LinkedInで自分から声をかければ、問い合わせを待つ営業と、会いに行く営業を組み合わせられます。条件の決め方は「LinkedIn海外営業のターゲット設定」で解説しています。ウェブサイトを見ての問い合わせを待つ形から、LinkedInで自分から声をかける形に広げた例は「サーティファイ様の導入事例」で紹介しています。つながっても商談にならないときの見直し方は「LinkedIn営業を自分でやったが商談にならない」にまとめています。

まとめ

  • 海外からの問い合わせは商談に近い相手。成約しないのは、受けたあとの進め方で止まっていることが多い
  • 止まる理由は、返信の遅さ、次の一歩がないこと、決める人が見えないこと、メールだけの細い接点、こちらが見えないこと
  • 問い合わせた人をLinkedInで確かめ、「決める人/調べている人/合わない相手」に分けて、時間のかけ方を変える
  • メールで返した日にLinkedInでもつながり、必要なら同じ会社の決める人・使う人にも広げる。問い合わせた人は飛び越さない
  • 返事が止まったら投稿で接点を保ち、返事が来たらオンライン面談へ。問い合わせの記録は、自分から声をかける相手の条件に生かす

COSPALinksは、LinkedInを使った海外営業を支援しています。問い合わせの対応にLinkedInを組み合わせる進め方や、プロフィールとメッセージの型は、資料ライブラリにまとめています。

よくある質問

A失礼ではありません。LinkedInは仕事の相手とつながるための場です。問い合わせへの返事と同じ日に、誰からの申請か分かる一文を添えれば自然な流れです。一文を書けないときは、メッセージなしで構いません。

A企業ページの社員一覧や会社のサイトで確かめ、メールで対応を続けます。無料のメールアドレスだけで会社名も分からないときは、用途と会社を聞いてから資料を送ります。

Aメールの追いかけは2回までが目安です。それ以上送ると、売り込みのメールと受け取られやすくなります。LinkedInでつながっていれば、投稿で接点を保ち、相手が反応したときに、その話題から短く声をかけます。

Aやめる必要はありません。広告やサイトは、いま製品を探している人の問い合わせを集める仕組みで、LinkedInは、問い合わせてこない人(同じ会社の決める人や、似た会社の担当者)に会いに行く仕組みです。役割が違うので組み合わせます。LinkedInの中での広告と営業の違いは「[LinkedIn広告とLinkedIn営業の比較](/column/linkedin-ads-vs-sales)」で比べています。

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中島 嘉一株式会社コスパ・テクノロジーズ代表取締役LinkedInセールス活用の専門家
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