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海外営業のための活用ガイド 10

既存代理店とバッティングしない運用戦略

監修者

中島 嘉一

株式会社コスパ・テクノロジ-ズ 代表取締役

中島 嘉一

SNSリンク:https://linktr.ee/nakajima
株式会社コスパ・テクノロジーズ 代表取締役。
愛媛大学情報工学部卒業後、船井電機にて中国駐在し5,000人規模の組織管理とウォルマート向け海外営業を担当。
上海で起業し通算10年の中国ビジネス経験を持つ。Web制作・デジタルマーケティング歴13年以上で現在は英語圏・中華圏を中心とした海外展開支援のスペシャリストとして活動。 多言語Webサイト構築、越境EC、SNS・広告運用を駆使して企業の海外顧客開拓から、国内向けWebサイト制作・ブランディングまで、戦略立案から実行まで一貫サポート。 海外ビジネスに関するセミナーやイベントに登壇するほか、SNS総フォロワー5万人以上、中小機構海外販路開拓アドバイザーとして中小企業から上場企業まで幅広く支援実績を持つ。

LinkedInを活用して海外市場への発信や営業活動を始めたいと考えても、
「既存の代理店と競合してしまうのでは?」と懸念する企業は多いものです。
しかし、運用の目的とルールを明確にすれば、LinkedInは代理店の活動を奪うのではなく、代理店を後方支援し、成果を高めるためのツールとして機能します。
この記事では、既存代理店とのバランスを保ちながらLinkedInを運用するための実践戦略を解説します。


代理店との“バッティング”が起こる原因

まず理解しておきたいのは、バッティングは「LinkedInを使うこと」自体が原因ではありません。
むしろ、発信内容と役割の線引きが曖昧なまま運用を始めてしまうことが問題です。

1. 営業目的が重複している

  • 本社と代理店のどちらも同じ顧客層にアプローチしてしまう
  • 案件情報や問い合わせ対応の優先順位が不明確

→ 明確な領域設定(国・業種・案件タイプ)が必要です。

2. 本社発信が「直接販売」と誤解される

  • 製品紹介投稿やキャンペーンが「直販活動」と捉えられるケース
  • 代理店が「顧客を奪われる」と不安を感じる

→ 発信の目的を“販売”ではなく“ブランド・技術認知”と位置づけることで回避できます。

3. 情報共有の仕組みがない

  • 本社と代理店でLinkedInの発信内容や顧客対応が連携できていない

→ 情報が共有されていないと、どちらも“相手の動きが見えない状態”になり、摩擦が生まれやすくなります。


LinkedIn運用の目的を“営業”から“信頼発信”へ切り替える

LinkedInの役割を「営業ツール」ではなく、「信頼構築と情報共有のプラットフォーム」として定義すると、
代理店との競合リスクはほぼゼロになります。


1. 本社の役割は「ブランドの公式発信者」

本社アカウントや担当者投稿の目的は、直接販売ではなく“技術・信頼の証明”です。

  • 製品そのものの宣伝ではなく、技術開発や品質への姿勢を発信
  • 代理店が自社を提案する際の“営業の後ろ盾”になる

→ 「メーカー発信=代理店支援」というスタンスを明示しておくことが大切です。


2. 代理店の役割は「ローカル顧客との接点担当」

代理店は地域・言語・文化に根ざした顧客対応を担う存在。

  • 本社投稿を翻訳・再利用して現地向けに展開
  • 顧客へのフォローアップや商談は代理店がリード

→ 双方の役割を明確に分ければ、競合ではなく補完関係が成立します。


3. 発信テーマのすみ分けで“重複”を防ぐ

発信主体主なテーマ目的
本社(メーカー)技術力・開発背景・製品思想信頼・ブランド認知の構築
代理店導入事例・現地顧客サポート商談化・販売促進

→ 本社が「Why(なぜ)」を語り、代理店が「How(どう使うか)」を伝える構成が理想です。


代理店と共存するLinkedIn運用フロー

代理店と連携しながらLinkedInを効果的に運用するには、
「役割分担・情報共有・発信方針」の3ステップを仕組み化することが重要です。


ステップ1:事前に運用方針を共有する

LinkedInを始める前に、代理店に対して「目的」「ルール」「期待効果」を明確に説明します。

共有しておくべき内容

  • 本社は直販を行わない(問い合わせは代理店へ誘導)
  • 本社投稿はグローバルブランド認知が目的
  • 代理店投稿の内容を本社がリポストして拡散する

→ “販売権を奪う意図がない”ことを明言すれば、代理店側の安心感が高まります。


ステップ2:問い合わせ誘導を“代理店経由”に統一

投稿やメッセージで問い合わせを受けた場合、
すべて現地代理店に引き継ぐフローを明確にします。

実践例

「Thank you for your inquiry. Please contact our authorized partner in your region for further details.」

→ こうした対応を徹底することで、代理店との信頼が強化されます。


ステップ3:コンテンツを共有・再利用する仕組みを作る

  • 本社の投稿素材を代理店に共有(翻訳や再編集を許可)
  • 代理店投稿を本社がリポストしてグローバルに拡散

→ “情報発信を共有する文化”を持つことで、双方に利益をもたらす運用が可能になります。


代理店との関係を強化する運用テクニック

LinkedIn運用を“バッティングしない”どころか、“代理店との信頼を深める手段”に変えるコツを紹介します。


1. 「代理店紹介投稿」で協働姿勢を示す

定期的に代理店を紹介する投稿を行い、感謝や活動報告を発信します。

例:「We’re proud to work with our trusted partner, ABC Trading, supporting customers in Southeast Asia.」

→ 本社が公に代理店を称えることで、パートナーシップの証明になります。


2. 代理店との共同コンテンツを作成

  • 共同ウェビナー・展示会レポート・導入事例などを共同発信
  • 本社:技術面を解説、代理店:現地活用事例を紹介

→ 「本社×代理店」連名で発信することで、顧客に一体感をアピールできます。


3. KPIを「販売」ではなく「認知・連携」で設定

LinkedInの成果を、問い合わせ件数や商談数ではなく、

  • 投稿閲覧数
  • フォロワー増加数(代理店+本社合計)
  • 共有・リポスト数

といった“協働成果”で測るようにします。

→ これにより、LinkedInが代理店との協業を促進する「ブランド強化の場」として定着します。


トラブルを未然に防ぐ3つのルール

1. DM・InMailでは直接営業を行わない

LinkedInの個別メッセージは「情報提供・紹介」目的のみに限定。

→ 商談化は代理店を通すルールを徹底します。

2. 投稿に「販売エリア・問い合わせ窓口」を明記

例:「For inquiries in Europe, please contact our authorized distributor, XYZ Company.」

→ 投稿の段階で役割を明示すれば、誤解や競合を防げます。

3. 定期的に代理店と運用ミーティングを実施

  • 投稿計画や反応データを共有
  • 現地市場の反応や問い合わせ傾向を報告し合う

→ 双方の温度差をなくすことで、摩擦のない共存が可能になります。


まとめ:LinkedInは“代理店との共創プラットフォーム”

既存代理店とバッティングしないLinkedIn運用の鍵は、「目的を営業ではなくブランド構築に置く」こと。

  • 本社は「信頼・技術・ブランド」を発信し、代理店を後方支援する
  • 問い合わせや商談は代理店へ明確に誘導する
  • コンテンツとデータを共有し、“共創型の情報発信体制”を構築する

この方針を徹底すれば、LinkedInは代理店と競合するツールではなく、
「パートナーシップを強化し、世界の市場を一緒に育てるプラットフォーム」へと進化します。

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