LinkedIn海外営業の
この記事でわかること
- 狙う国・業界・役職を決める順番と、それぞれで見る点
- Sales Navigatorで、相手が何人いるかを確かめる手順
- 人数が少なすぎるとき・多すぎるときの条件の直し方
結論:「国→業界→役職」で決め、始める前に人数を確かめる
LinkedInで海外営業をするとき、最初に決めるのは「誰に声をかけるか」です。ここがあいまいなまま申請を送り始めると、承認も返信も伸びず、何が悪いのかも分かりません。
- 決める順番:国 → 業界・会社の規模 → 役職・職種の順に決めます。
- 人数を確かめる:決めた条件でSales Navigator(LinkedInの営業向け有料版)を検索し、当てはまる人が何人いるかを見ます。
- 少なすぎたら:国や役職を広げます。広げても少ないなら、LinkedInでの営業は勧めません。
- 始めたら:国や役職ごとに承認と返信を記録し、条件を見直します。
ターゲット設定は、最初に一度決めて終わりではありません。最初は仮の条件で始め、反応を見ながら直していきます。
決める前に:今のお客さまから「買う人」を書き出す
国や業界を決める前に、今の取引先を見直します。海外でも国内でも構いません。
- どの業界の会社が買っているか
- 会社の規模はどれくらいか
- 社内で、誰が最初に話を聞き、誰が決めているか(購買、技術、経営など)
- その製品を、何に使っているか
ここで出てきた「買う会社」と「買う人」が、LinkedInで探す条件の元になります。業界の名前だけで探すより、用途から考えるほうが、相手の会社が見つかりやすいこともあります。たとえば包装の機械なら、「包装機械の業界」ではなく、「包装の工程がある食品メーカー」を探します。
LinkedIn営業の全体の流れのなかで、対象の決め方がどこに当たるかは「LinkedIn営業とは」で解説しています。
国の決め方:まず1〜2か国に絞る
最初から多くの国に申請すると、反応の違いが見えません。まずは1〜2か国に絞ります。国を選ぶときは、次の点を見ます。
| 見る点 | 考え方 |
|---|---|
| これまでの実績 | 問い合わせや取引がある国、展示会で反応があった国は候補になる |
| 代理店の有無 | 代理店がいない国や、新しい代理店を探したい国に向く |
| 承認の傾向 | アジアは承認が3〜6割を狙える。アメリカ・ヨーロッパは渋めで2〜4割 |
| 言葉 | 英語で連絡できるか。英語以外の言語で送るなら、ネイティブの確認が要る |
| 使えるかどうか | 中国本土では、LinkedInは公式には使えない。WeChatなど別の手段を考える |
承認は、国や相手によってかなり変わります。最初の国の結果だけで「LinkedInは合わない」と決めず、国ごとに分けて見ることが大切です。
国を決めたあとの、海外ならではの進め方(言葉・時差・展示会との違い)は「LinkedIn海外営業とは?」で紹介しています。
業界と会社の規模の決め方
業界は、Sales Navigatorの「業界(Industry)」の分類で選びます。分類は思ったより大きく分かれていることがあるので、自社の買い手がどの分類に入っているかを、実際の取引先の会社ページで確かめておくと迷いません。
会社の規模は、従業員数(Company headcount)で絞ります。
- 大きすぎる会社だけを狙わない。大企業は担当者が多く、話がどこに届いたか分かりにくくなります。
- 小さすぎる会社を外すかを決める。製品の価格や取引の形から、相手にできる会社の規模を決めます。
- 外す条件も決める。競合や、すでに代理店が担当している会社などは、最初から外しておきます。
ご支援した案件でも、技術や現場の管理職に絞ると、声をかけられる相手はすぐに少なくなりました。従業員数で選んだ会社には、経理など、狙う職種と関係のない部署の人も含まれるからです。会社の規模で絞ったあとは、職種と役職まで入れた人数で、続けられるかを判断してください。
役職・職種の決め方:決裁者だけに絞らない
役職は、「職種(Function)」と「役職の段階(Seniority level)」を組み合わせて決めます。
- 1現場の
担当者 技術・購買の 話を実務 聞いて 主なもらいやすい。 社内で 情報を 上げてくれる 関心 仕様使い勝手納期 - 2管理職マネージャー・
部長 比べて検討する 主な立場。 資料を 渡すと 話が 進みやすい 関心 コスト品質チームの成果 - 3経営者・
役員 人数が少ない 最初から絞りすぎない。 主な現場や 管理職と もつながって おく 関心 事業の方向 投資の判断
| 相手 | 主な関心 | 声をかけるときの考え方 |
|---|---|---|
| 現場の担当者(技術・購買の実務) | 仕様、使い勝手、納期 | 話を聞いてもらいやすい。社内で情報を上げてくれる |
| 管理職(マネージャー・部長) | コスト、品質、チームの成果 | 比べて検討する立場。資料を渡すと話が進みやすい |
| 経営者・役員 | 事業の方向、投資の判断 | 人数が少ない。最初から絞りすぎない |
決裁者だけに絞ると、人数が少なくなりすぎます。同じ会社の中で、現場・管理職・経営の複数の人とつながっておくと、担当者が替わっても話が途切れません。
Sales Navigatorで人数を確かめる手順
条件を決めたら、申請を始める前に、当てはまる人が何人いるかを確かめます。Sales Navigatorには1か月の無料トライアルがあるので、契約前の準備を済ませておき、トライアルの初日に確かめるのが効率的です。
- 1人の
検索を Lead filters。開く 画面は 英語 - 2国を
入れる Geographyで、狙う 国を 選ぶ - 3業界と
会社の Industryと規模 Company headcountで 絞る - 4職種と
役職の Functionと段階 Seniority level。 役職名でも 探せる - 5人数を
見る 検索結果の上の 人数を、 条件を 足すごとに 見る - 6条件を
保存する 保存検索にすると、 新着を 知らせてくれる
- 人の検索(Lead filters)を開く。画面は英語です。
- 国を入れる。「Geography」で、狙う国を選びます。
- 業界と会社の規模を入れる。「Industry」と「Company headcount」で絞ります。
- 職種と役職の段階を入れる。「Function」と「Seniority level」で絞ります。役職名(Current job title)で探す方法もあります。
- 結果の人数を見る。検索結果の上に、当てはまる人数が表示されます。条件を1つ足すごとに、人数がどう変わるかを見ます。
- 条件を保存する。よい条件ができたら保存検索にしておくと、新しく当てはまった人を知らせてくれます。
実際にアメリカで調達担当者を探す様子は、動画「Appleの調達担当者まで見つかる?LinkedInで海外営業先を探してみた #1 アメリカ編」でも紹介しています。
英語の役職名(Purchasing、Procurement、Buyer など)と、会社の種類による窓口の違いは、「海外バイヤーの役職名を英語で|購買・調達・経営層のどこにLinkedInで声をかけるか」にまとめています。
Sales Navigatorの機能そのものは「Sales Navigatorとは」で解説しています。
人数を見るときの考え方
- 毎日の申請で、数か月で尽きないか。申請は1日10〜15分の作業で続けます。続けても、すぐに送る相手がいなくなる人数では、営業として回りません。
- 国ごとに分けて見る。国をまとめて検索すると、どの国に何人いるかが分かりません。
- プロフィールを数人開いて確かめる。人数だけでなく、本当に狙う相手が並んでいるかを見ます。違う職種の人が多ければ、条件を直します。
見つけた相手を保存して追い続ける設定は「Sales Navigatorのリスト作成と保存検索」、無料版で足りるかどうかは「LinkedIn無料版とSales Navigatorの違い」で説明しています。
人数が少なすぎるとき・多すぎるとき
- 国を
広げる 国近い国や、 同じ 言葉の 国を 足す - 役職を
広げる 役決裁者だけでなく、管理職や 現場の 担当者を 足す - 業界を
広げる 業同じ工程や 課題を 持つ業界を 足す
少なすぎるとき
- 国を広げる。近い国や、同じ言葉が通じる国を足します。
- 役職を広げる。決裁者だけでなく、管理職や現場の担当者を足します。
- 業界を広げる。用途から考えて、同じ工程や課題を持つ別の業界を足します。
条件を広げても相手が少ない場合、COSPALinksではLinkedInでの営業を勧めていません。相手が少なすぎると、毎日の申請が続かず、成果の判断もできないからです。その場合は、展示会や代理店など、別の方法を中心に考えます。
多すぎるとき
- 会社の規模や職種で絞ります。
- 外す条件(競合、既存の取引先など)を足します。
- 絞りすぎず、新着が毎日入ってくる程度にとどめます。
ニッチな商材や市場の小さな国で、人数が少ないときの考え方は「ニッチな商材や小さな国でもLinkedIn営業は使える?」で詳しく紹介しています。
始めたあとの見直し方
ターゲットは、反応を見て直します。
- 国・業界・役職ごとに、承認と返信を記録する。保存検索の名前を「国_業界_役職」のようにそろえておくと、比べやすくなります。
- 反応のよい条件に時間を寄せる。承認や返信が多い条件の申請を増やし、反応の悪い条件は変えます。
- 最初の1通も合わせて直す。役職が変われば、関心も変わります。あいさつの例文は「LinkedInの英語メッセージ例文集」にあります。
条件を細かく決めることにこだわりすぎて、申請を始めるのが遅れるのは避けましょう。申請を送らなければ、反応は見えません。仮の条件で始め、送りながら直していけば十分です。
ご支援したサーティファイ様も、長く続けるうえでは、狙う国・地域や、声をかける相手の立場や経歴を、状況に合わせて柔軟に変えることが大切だと話されています。最初に決めた条件は、出発点です。貴社も、記録した反応をもとに、国や相手を入れ替えながら進めてください。
国・地域ごとの承認・返信の違いの読み方と、続ける国の決め方は「LinkedIn海外営業の国別の反応」で解説しています。
よくある質問
Q. ニッチな製品でも、LinkedInで相手は見つかりますか?
まずSales Navigatorで人数を確かめます。業界の名前で見つからなくても、用途や職種から探すと見つかることがあります。広げても少なければ、別の方法を中心にします。
Q. 国はいくつから始めればいいですか?
1〜2か国から始めます。反応の違いが見えやすく、最初の1通も国に合わせて直しやすくなります。
Q. 人数を確かめるのに、Sales Navigatorの契約は必要ですか?
無料のLinkedInでも検索はできますが、細かい条件では絞れず、検索にも制限があります。Sales Navigatorには1か月の無料トライアルがあるので、その初日に確かめるのが早道です。
Q. 決裁者に直接申請したほうが早くないですか?
決裁者だけに絞ると人数が少なくなり、申請が続きません。現場の担当者や管理職ともつながり、会社の中で複数の接点をつくるほうが、話が進みやすくなります。
まとめ
- ターゲットは「国→業界→役職」の順に決める。今の取引先の「買う会社」と「買う人」が出発点
- 国はまず1〜2か国。承認は国や相手でかなり変わるので、国ごとに分けて見る
- 役職は決裁者だけに絞らず、現場・管理職・経営と複数の人とつながる
- 申請の前に、Sales Navigatorで当てはまる人数を確かめる。少なすぎたら広げ、広げても少なければLinkedInは勧めない
- 仮の条件で始め、承認と返信を見ながら直す
COSPALinksは、LinkedInを使った海外営業を支援しています。狙う国・業界・役職の決め方を含めた進め方は、資料ライブラリにまとめています。
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